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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 141

小村ミッツァのジェンナが、宿場街に逃げてきた。
教会の礼拝堂で疲労困憊して気絶していた。
騎士ルシアとマルセリナが僧侶セシルから話を聞き出し、三人で礼拝堂に戻ったときに発見した。
騎士ルシアとマルセリナが治癒魔法を助け起こしながら、呪文の詠唱なしでジェンナにかけた。途中の村で食糧を分配してしまったあと、呪文詠唱なしで治癒魔法をかける練習を二人で行ってきた。
「……み、水、ほしい、水を……水を……」
ジェンナが意識を取り戻し、最初に言った言葉であった。マルセリナの軍服を必死に握りしめて。僧侶セシルに「水を持って来い!」とルシアが言った。
僧侶セシルは騎士マルセリナとルシアが治癒の魔法を使ったのを見て驚きながら、木椀に水を持って来てマルセリナに手渡した。
ジェンナが喉を鳴らして水を飲んだ。
「ちがう、ちがう、ちがう、ちがう……」
ジェンナがうわごとのように言い始めた。
「これは……アブラーン!」
騎士ルシアがジェンナのひたいに手をふれて解毒の魔法の呪文を唱えた。
「お二人とも魔法の心得があるのですか?」
「僧侶なら治癒の魔法は習得してるだろ?」
「いいえ、僧侶でも選ばれた人たちだけが魔法の修行を受けることができるのです」
取り乱していたジェンナの表情が、おだやかなものに変わっていく。
「ここは……私は……」
「宿場街ヴァルラスタの教会です」
マルセリナがジェンナに話しかけた。
一時間後、教会に「ジェンナが来てるだろ?」と僧侶セシルに言うロイという男がやってきた。
「妻と派手に宿屋で喧嘩しましてね、泣きながら出て行ったんでここか思いまして、へへっ……」
にやにやと笑いながら礼拝堂の中に隠れていないか目で探している。
「いるんだろ、出てこい!」
「お静かに。ここは祈りの場所ですから……」
「あー、めんどくせぇな!」
僧侶セシルの首をいきなり男が両手で締め上げた。
息ができなくなりセシルが口を開くと、男が腰につけた皮袋を片手で外して、中の水を口に注ぎこむ。
「ごほっ……はぁ、はぁ、はぁ……」
ロイと名乗ったギャングが首から手を離した。僧侶セシルがむせたあと、ふらつきながら男から数歩離れる。そのまま、立っていられなくなり、その場で尻を床について座りこんでしまった。
「僧侶様がびびって、小便もらしてやがる。くせえくせえ」
ギャングの男が媚薬入りの水が入った皮袋を腰につけて、僧侶セシルの前に立った。
「初めから素直に言ってれば飲ませなかったのによぉ、僧侶様、祈りの場所でたっぷり犯してやる」
「ひっ!」
男がしゃがんで舌なめずりをしながから、僧侶セシルの頬を撫でた。
「祈りの場所で不謹慎な野郎だな」
「逃がしませんわ」
礼拝堂の奥の部屋から、ルシアが扉を開けて入ってきた。女神像の裏からマルセリナがサーベルを抜いて姿をあらわした。
女神像の足元には録音用の小型の石板が置かれていた。その音声をルシアが別室で聞いていた。
騎士の軍服姿のマルセリナを見て、男が逃げ出そうと礼拝堂の出入口の扉に走った。
その背中にルシアが指差して、すかさず魔力弾を放った。
「ぐげっ!」
ギャングの男が背中を襲った激痛に前のめりに転倒した。
マルセリナが男に近づき背中を踏みつけ、サーベルの鋭い先を男の頬に近づけた。
「あきらめなさい」
ルシアは男が逃げようとした礼拝堂の出入口の扉の前に立っている。男に仲間がいれば礼拝堂に入ってくるかもしれないと考えたのである。
僧侶セシルの視界がぼやけていく。呼吸が乱れて、体が異様に汗ばむ。

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