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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 136

なんとなく、自分だけ女性たちの連帯感の雰囲気から外されてしまったようなアベコウキが、さみしくなってしまった。
騎士ルシアとマルセリナがルミエールに報告に行くと、執務室に僧侶メトラが訪れていた。
「二人に頼みたいことがある」
アンドレスの街より北方はオーリッサの都の調査と処理に神聖教団の僧侶たちが多数訪れていて、その周辺や平原に続く丘陵地域には、王国からの減税のおふれが伝えられている。
しかし、アンドレスの街より南方はその情報が伝わっていないので、二人は宿場街に赴いて情報を周辺地域に伝えるようにルミエールの手紙を宿場街の教会に赴任している僧侶に届けてほしい、というのである。
「わたくしが行くべきところなのですが、オーリッサの都に滞在中の僧侶たちからの連絡があれば受けなければならず、アンドレスの街から離れられません。よろしくお願いいたします」
と僧侶メトラから頭を下げられて、騎士二人は恐縮しながら任務を受けた。
「ねぇ、コウくん」
「ん、なに?」
「ルシアさんとマルセリナさん、どっちが好み?」
騎士二人が任務を拝命している同じ頃、マリーナにいきなり聞かれた質問に、アベコウキがひやりとしていた。
(二人とセックスしないけど、絶頂させまくってたのがばれてたのかっ?!)
「あー、えっと、なんでかな?」
この手の質問は、おっぱいとおしりのどっちが好きとか、私のどこが好き、という質問と同じように、全部好き、君が好きと答えるしかない。
選択してどちらを選んでも不正解。
……とアベコウキは考えている。
マリーナは、ルシアの魔力に自分と同じものを感じたので、アベコウキが「ルシア」と答えたらしかたないと思っている。
ただし「マルセリナ」と答えたら、詳しく話を聞き出してみなければならないと思っている。
マルセリナの服装や髪型や話し方などの好みなら、たまにはアベコウキのために普段とはちがう服装や髪型にしたり、口調を変えてみようか、と考えているのであった。
「コウくんはどっちが好みかなって、二人ともかわいいと思うんだけど」
「マリーナは、どっちがかわいいと思ったの?」
(ど、動揺したら負けだっ、俺、落ちつけ、そして考えろ)
マリーナが激怒したらすねるどころではなく、電撃をくらうと思い浮かべたアベコウキが緊張する。
とりあえず、答えるまでの時間かせぎ、考える時間を確保するためにマリーナがどっちが「かわいい」と思ったのかを質問してみた。
「二人とも、私がけっこう訓練してたし、数日おきに来てたから。二人とも一生懸命で、なんか、かわいいなって思ったの」
(俺との訓練の話とか、あの二人、マリーナにしてたのか、そうなのか。いや、でも、ばれてたら、とっくに俺は黒焦げにされているはず)
「うん、一生懸命だったね」
アベコウキもそこは認める。アベコウキに会いに行ったら恥ずかしい目に合わされると思ったら、マリーナだけに訓練を頼むか、会いに来ないという選択も二人にはあったはずだからである。
(もしかして、訓練で絶頂させられるのに、あの二人ははまって……うん、それはないな)
「俺は、前に一生懸命マリーナが魔法の練習してたときのほうが、なんか、かわいいと思ったけど」
「え……そ、そうなの?」
「あと初めて魔法が使えたときとかも。すごくよろこんでたよね」
アベコウキがたたみかける。そしてソファーから立ち上がって、マリーナの手を握った。
(ひさびさに、マリーナとやるか!)
結局、ルシアとマルセリナのどちらがアベコウキの好みなのかを、マリーナは聞きそびれた。

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