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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 135

ルシアとマルセリナは、マリーナの魔力を感じるとすがすがしい気分になった。
「それは治癒の魔法だからだと思うわ。お仕事で疲れているのね」
そう言われて、にっこりと微笑されると、ルシアとマルセリナはそれ以上は言えなくなった。
アベコウキの訓練とはちがう。アベコウキに手や肩にふれられると、心が落ちつかない。
アベコウキからは「感覚を研ぎ澄ますことは大切なことだよ」と言われている。ギリギリで焦らされている状態にされているとは、二人は訓練だと思いこんでいるから疑ったりしなかった。
マリーナが留守にして家にいない日、訓練でアベコウキは二人の感度を敏感にして欲情の炎をかきたてる。そこで、手をぎゅっと握られたり、話しかけるついでに耳に息をかけられて、艶かしい声をつい上げて、絶頂させられていた。
アベコウキは二人の魔力を上げたり、他の魔法もおぼえられるように、わざと絶頂させていた。
「制御しきれてないからそうなる。大丈夫?」
「はひ、だいじょうぶ……ひゃんっ!」
マルセリナがぐったりとソファーに横倒れになってしまったのを、親切に上半身を起こすふりをしたアベコウキに体にふれられて、目を潤ませながら、マルセリナがまた体を小刻みに震わせた。
マリーナは、ルシアには自分と同じ女神ラーダの命のかけらがわずかにあることを察知していた。
アベコウキはそこには気づいていない。
「……くっ……んんっっ!!」
アベコウキに肩にふれられていたルシアは、思わず自分の胸を腕で隠すようにして、がくんとうなだれてしまった。
マルセリナの訓練は手をつなぐが、ルシアが手から魔力弾を放つかもしれないとアベコウキはルシアの訓練のときは背後から肩にふれていた。
絶頂させられて、恥ずかしさに震えているルシアにアベコウキが「大丈夫?」とわざと顔をのぞきこんでくる。
唇をかんで目を閉じたまま、まぶたを痙攣させて頬を薔薇色に染めているルシアの乳首は服の下で痛いほど勃っている。ルシアが目を開けると、唇をわずかにひらいて目を潤ませている。のぞきこんだアベコウキと目が合うが、まだ呼吸は乱れている。恥ずかしがり、目をそらす流し目が艶かしい。
こうして覚醒させられ、魔力を強化した騎士二人を一緒にマリーナの家に呼んだのは、使える魔法を追加するためだった。
二人でばらばらに家に来て追加するよりも、二人まとめて魔法を追加したほうが手間がかからない、とアベコウキは考えたからである。
(あー、この二人のイッた顔をもう見れなくなるのかぁ、ちょっと残念だけどしょうがない)
アベコウキが一人でそんなことを思って、二人の肩に背後から手をのせた。
「はい、おしまい。二人にはマリーナさんと同じ治癒の魔法と解毒の魔法を、おまけで使えるようにしてあるからね」
マリーナの手を、ルシアは右手、マルセリナは左手を握って治癒の魔法を念じると、マリーナの両手に魔力が流れこんできてHPを回復させる。
マリーナのHPが回復すると、魔力はもうマリーナの手に流れこまずに、握った手に集まったあとすぐに体にめぐり始める。
マルセリナは武器にずっとMPを吸収されていたことを「効率が悪い」とアベコウキが言った意味がわかった。
ルシアは呪文を唱えず治癒の魔法と念じた途端に、頭の中で呪文が流れるように一瞬だけ浮かび、そのときには自分の手のひらから回復の魔法となった魔力がマリーナに流れていくのを感じた。
石板のかけらに呪文を詠唱して、かけらがルシアに魔力を魔法として戻してから、再びルシアが武器を出現させるというのが「めんどくさい」とアベコウキが言った意味がよくわかった。
「二人ともありがとう。すごくすっきりした。すごく魔法が上手になったね」
マリーナが二人をほめていた。
(本来は騎士のほうが魔法は得意なんだけどな。料理とかなら、マリーナが勝てるかもしれないけど)
アベコウキがソファーに座って喜びあう三人の様子を見つめていた。
ほめられた二人が、マリーナに抱きつきそうなぐらい感動して喜んでいた。ルシアとマルセリナは、アベコウキの訓練が過酷だった分だけ喜びがわき上がってきて止まらない。

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