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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 132

僧侶メトラも土地の状況を思い浮かべてみた。街の住人たちの墓地のために空けてある土地はあるが、それは今後の予定地で、菜園には使えない。
「街のそばにないと収穫したりダンジョンに運ぶのが大変になると思うんです。でも、街の中とかまわりに空いてる土地は調べてみたけどないんです」
アベコウキがそう言うと、僧侶メトラとバレンドルフがたしかにその通りと思いうなずいた。
「土と光と水があって、ダンジョンに収穫したものが手間がかからないように運ぶ場所。あと収穫しても食べたいときに傷んでいたら意味がない、保存できなくちゃもったいない。その二つの場所が必要だと考えました。保存場所はダンジョンの第三層を作って、そこに保存された食材はダンジョン第一層の住宅で取り出せるようにしました」
「コウくんとダンジョンの保存室を試しに使ってみました」
マリーナが包み紙にくるまれた二つのパンを会議室のテーブルの上にならべた。
「今朝、街のパン屋さんが焼いたパンと一週間たったパンです。どっちが一週間たったパンかわかりますか?」
アベコウキ以外の全員立ち上がり、二つのパンをのぞきこんだ。
「食べてみてもいいか?」
そう言ったのはルミエールだった。
「うん。問題ないよ」
アベコウキが即答した。
ルミエールが二つのパンを指でつまんでちぎって食べてみた。
「左のパンが古いパンか?」
「いえ、左のパンは今朝、パン屋で買ってきたパンです。右のパンはここに来る少し前にダンジョンから持ってきたパンです。買ってきてすぐに一週間保存したパンと、朝から紙に包んでおいたパン。紙に包んだだけのほうが古く感じると思います」
マリーナがパンを回収して着席した。
「保存できる量は、街ひとつ分の箱を思い浮かべてもらえばいいんですけど、食糧の量はこれで足りますか?」
アベコウキが言った。
「それだけの量の食糧があればアンドレスの街どころかオーリッサの都でも一年以上、住人ごと籠城ができる量が入る大きさだ」
バレンドルフが言った。バレンドルフは街の酒場の店主でもある。街の住人たちがどれだけ食べるかを把握している。

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