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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 131

一ヶ月後、評議会会議が再び行われた。すでにライラと吟遊詩人ディオンは出立しており不在。バレンドルフとマリーナがアンドレスの街の領主代行として出席している。ルミエール、僧侶メトラ、アベコウキの五名が警備隊屯所の会議室に集まっている。
ギャングどもは、アンドレスの街には警戒して近づかなかった。
西公主ルミエールが、アンドレスの街にいる。
ルミエールはかつて、街にいたギャングがアジトにしていた店に討ち入り、ギャングを捕らえると東公主リシャールに引き渡したことがある。
現在、東公領付近に近づいたギャングは問答無用で殺害されていた。商人に変装しているギャングも、ただの旅商人も、警備兵の見分けがつかない者は、どちらも殺害されていた。東公領と西公領の境界地域で以前では考えられない厳重な警備が開始されている。
今、アンドレスの街で捕らえられたら、東公領に送られて殺される、そんな噂をギャングどもは信じていたのである。
バレンドルフによる警備隊の編成の報告。
僧侶メトラによる神聖教団がオーリッサの都で行っている作業がまだ継続していることの報告。
マリーナから、ライラと吟遊詩人ディオンが王都エルドニアへ出立したことの報告があった。この二人は住人たちの人気が高い。
当日は街の大門まで見送りの住人たちが集まり、警備隊の兵士たちが安全のために、宿屋の裏手にある荷馬車置き場から大門までの路上で、住人たちが押し合って飛び出したりしないように立ち並んで警備した。
「新婚旅行だとみんな思ったみたいで……」
「特務で出立したとは公表できない。これはライラらしいやり方かもしれない。これなら噂になっても特務だと気づかれにくい。マリーナ女史、バレンドルフ隊長、二人ともご苦労様でした」
ルミエールが苦笑して言った。
「王都からの指示などは特になかった」とルミエールからの報告があり、そのあとアベコウキからの提案が発表された。
「マリーナさんが趣味で家の庭に野菜を植えて育ててるんですが、ダンジョンには水と光があっても、土がない。土にふくまれる水や微生物が空気を使うから入れられない。でも、ダンジョンではないところに、家の庭のような食糧を作れる場所があればいいって考えてみたんです」
とアベコウキが言ったとき、僧侶メトラやバレンドルフは街の中や街の城壁周辺で菜園が作れそうな土地がないか思い浮かべながら話を聞いていた。
街の中はすでに開発されていて、それを農地にするには建物を撤去しなければ菜園にはできない。街の城壁周辺は、すでに畑などを住人たちが作っていてそれよりも遠くに菜園を作れば、耕作する広さは確保できるが、管理維持には移動の手間がかかる。
安定した収穫までに二年から三年。それを管理維持する人員も必要。
(警備隊で街から出て、畑を耕すのも体力作りにはいい訓練になるだろうが、そうなったら隊員募集だな)
バレンドルフはそんなことを考えた。

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