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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 126

マルセリナ本人も気がついている弱点をずばりとアベコウキに言い当てられて、アベコウキを吟遊詩人ディオンが「導師」と呼ぶのがなぜかわかった気がした。
長く戦うことができないため、突きで踏み込み、目や喉のあたり、または心臓を貫く剣技をマルセリナは修練してきた。
「あと、ルシアさんの石板のかけらを見たいな」
「ルシア、見せてやれ」
ルミエールに言われ、ルシアが腰につけた小袋ごと外してアベコウキに手渡した。
アベコウキは小袋から石板のかけらを一つ取り出すと、手のひらにのせて10秒ほど目を閉じていた。
(解析完了!)
小袋に石板のかけらを入れて、ルシアに返すとアベコウキがソファーに腰を下ろした。
全員、アベコウキが何を話すか注目していると、アベコウキがくしゃみをした。
「石板のかけらを握って、たぶん呪文を思い浮かべると、あの武器があらわれて、かわりに石板のかけらが消える。で、武器を握って撃つと力を使うんだと思う。武器から手を離すと消えちゃうから戦闘中は武器を握ってなくちゃならない。あってる?」
「そうだ。だから、小袋に入れてたくさん持ち歩いてる。小さいからじゃまにならない」
ルシアがアベコウキに答えた。
「ルシアさん、聞いていいかな。ライラさんが戦うの見たことある?」
「あるよ。とても素早い」
ルシアとマルセリナは、ライラと一緒にオーリッサの都にあった評議会議員の館の地下牢に瞬間移動で潜入してしまったことがある。そのとき、ライラが牢の鍵を持っていたメイドを背後から締め落として気絶させるのを二人は見ていた。
「どうしてライラさんが筋力なさそうなのに素早く動けると思う?」
そう急に言われたルシアとマルセリナが顔を見合せて、困惑しながら考えていた。
「ルミエール様はわかったみたいだね。マリーナさんはどうかな?」
アベコウキに言われて、マリーナが
「あたってるかわからないけど……」
と前置きしてから考えたことを話した。
「魔法を自分の体全体にかけて動いてる?」
「たぶんそうだと思うよ」
アベコウキがマリーナに言った。
「剣や石板のかけらに魔法をかけるように、ライラは自分の体に魔法をかけ続けたまま生活しているんじゃないかな。マリーナさんもたまに体全体に魔力を……あー、それはあっちに置いておいて」
マリーナが激怒すると女神ラーダの七色の魔力が全身をつつみ、稲妻のようにバチバチッと音までさせてスパークする。
「ルシアさんの魔法は、石板のかけらが一度魔力を集める。呪文を思い浮かべるという合図があると。勝手に魔力を武器が集めるのはマルセリナさんのレイピアと同じかな。そしてかけらに力がたまって満杯になるとあふれて、ルシアさんの手に魔法をかける仕掛けなんだ」

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