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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 125

(ああ、これでルシアに魔法で狙撃されないと思ったのになぁ。しかたない、使い方を教えるか)
「アベコウキ、また質問してもいいか?」
「どうぞどうぞ」
「マルセリナや私が能力を使えて、ルシアだけが使えないのはなぜだ?」
「うん。マリーナさんも魔法が使えるし、この街の僧侶の人たちも治癒の魔法を使える。でも、ルシアさんは使えないのは、魔法の使い方が他の人とはちょっとちがうからなんだ」
「ちがうとは、なんだ?」
「うん、そうなんだけど、教えてほしい?」
アベコウキが執務室の壁ぎわに立つルシアの顔を見て、にっこりと笑った顔で言った。
「私にも教えて下さい、お願いします」
顔を見られているルシアよりも先に、マルセリナがアベコウキに言った。
(もっと強くなりたい)
マルセリナは政略結婚の道具にされるぐらいなら、死んだほうがましと思っている人物である。
強さがあれば、騎士としてもっと上位に上がれると信じている。
「ルミエール様とマルセリナさんの武器は剣でしょう。と、その前にマリーナさんには教えたけど、体の中にある見えない力があるのを、想像できていますか?」
「ああ、私は剣にそれを入れていくのを思い浮かべて、剣が私の体になった感じになる」
ルミエールがアベコウキに答えた。
(ルミエール様には教えることはない感じだな)
「マルセリナさん、そのレイピアをよく見せてもらっていいかな。あっ、でも壊したりしないから、心配しないで、大丈夫だから」
「マルセリナ、見せてやれ」
ルミエールが、不安な表情を浮かべたマルセリナに言った。
「私の剣はよいのか?」
「ルミエール様は、外に落ちてる木の枝でも同じことができるでしょう?」
「できるが、大人の女が木の枝をふりまわしていたら、どうしたかと思われるだろうな」
ルシアとマルセリナが驚いている。
ルミエールが誰かに軽い冗談を言っているのを初めて聞いたからだ。
アベコウキの隣で、マリーナもマルセリナの刀身が細く削られている木製のレイピアを見ている。
(すごく細い……折れちゃいそう)
マリーナはレイピアを見たことがないので、まじまじと見つめている。
「これはおもしろい。剣の細い刀身と握りに装飾で彫り込まれた呪文か。握った人の手から魔力を勝手に必要な分だけ取っていく仕掛けになってる」
アベコウキがそっとマルセリナに木製レイピアを手渡しで返却した。
刺突重視の剣であるが、先端が鋭く尖っていて斬撃も可能。またしなやかに細い刀身が鞭のように打つこともできる。魔力が吸収されると、刀の全体が強化される。
「マルセリナさん、これ握っているだけで勝手に頑丈になるけど、疲れきったら急に壊れやすくなるから気をつけて。このあいだのゾンビの群れとくたくたになるまで戦っていたら壊れてたかも」
自動的にMPを消費して強化されるが、使い手のMPがどんどん使われていく。
そして強化に必要なMPが足りなくなると、装飾の美しい木製のレイピアに戻ってしまう。
ルミエールが一度のMP消費で、鞘に剣がおさまるまで強化魔法が発動しているのに対して、マルセリナはずっと戦闘中にじわじわとMPを消費し続けてしまう。

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