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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 124

「ルシアの魔法の能力は、魔力を一度小さな石板にためて発動させる。石板は魔法陣のかわりだから、石板に魔力がたまらなければ魔法が発動しない。魔法が発動することで、ルシアの銃が召喚される。銃が召喚されると石板は消えてしまうと思うんだ」
「ルシア、そうなのか?」
「そうです。石板は消えてしまいます」
ルシアがルミエールに答えた。
(誰にも教えたことがないのに、私の武器の秘密をなぜアベコウキは知っている?)
「なんで石板が消えてしまうか考えたことある?」
困惑しているルシアにアベコウキが言った。
「いや、そういうものだと思って、なんで消えるかなんて考えたこともなかった」
ルシアがアベコウキに答えると、アベコウキがルミエールに説明を続けた。
「石板に記録されたものに魔力が加えられることで魔法が発動する条件が整う。整うと目に見えないけど爆発することで、世界が破けて、そこからルシアの銃があらわれる。石板と魔力は交換で世界が破けた中に持っていかれてしまう。だから消える」
「世界が破ける?」
「袋があって、その中に水をどんどん入れていくとする。満杯にして袋がぱんぱんにふくらんだときに袋を先の鋭い剣で突いたら、穴があく」
「穴から水が出てくるな」
「ルミエール様、世界というとわかりにくいので、水がぱんぱんに入った袋だと思って下さい。あとは袋を先の鋭いもので突っつくだけで中の水が出てきます。破けて穴のあいた袋は水を入れたらどうなりますか?」
「入れた分だけ水が穴からこぼれる」
「ですよね。また水をためるにはどうしたらいいと思いますか?」
「穴をふさぐか、新しい袋を用意する」
ルミエールが答えるとアベコウキがうなずいた。
「袋がずっと破れているのに水を入れたら、ずっと水漏れしますよね。袋が満杯になってふくらんでいる状態が魔法が正常に発動している状態。でも、水があふれていたのが袋がオーリッサの都にあった魔法陣、あふれた水がオーリッサの都のまわりまで、だばーって水びたしになってた感じ」
「ルシアの魔法を使った能力は、どう説明する?」
「袋に水をぱんぱんにする。でも、その袋には半分ぐらい水が入ってる状態。で、武器が必要なときには残りの水を入れる。水が満杯になると、合図で石板が壊れて知らせてくれる。そうじゃないと、水をどこまで入れたらいいかわからないから」
アベコウキがルミエールが聞いたことがないへんな比喩で、魔法を説明をする。
ルミエールはかつて王都で神聖教団の導師から話を聞きに行ったことがあった。治癒の魔法で傷をメトラが癒してくれたことに感動して、魔法に興味を持ったからであった。「信仰心と祈りによって神から力を授けられるのです」とルミエールは言われ、
(魔法は考えるものではない、ということか)
と思ったのだった。
「アベコウキ、その水は誰にでも入れられるものなのか?」
「袋があれば。でも、持ち歩ける袋の数とか大きさに個人差がありますけど」
アベコウキがルミエールを驚かせることを、あっさりと言う。誰にでも魔法が使えるとアベコウキは言っているのである。
「袋に水が入る前に、鷹がサッと飛びかかって餌をくわえて飛ぶみたいに、持っていっちゃったら、オーリッサの都みたいに、あふれてだばーってならないと思ったんだけどね」
「ルシアはあの力をもう使えないのか?」
「え、なんで、使えると思うけど。あっ、そうか、石板を使って魔法を発動させるのは無理か。ところで、いつも服のポケットとか小袋に石板のかけらを持って歩いてたら、かさばらない?」
ルシアが騎士団の正装である軍服を嫌い、狩猟着のような服装を好むのは動きやすさだけではなく、石板のかけらをひそませて持ち歩くのに適しているからであった。

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