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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 119

「ルミエール様、アンドレスの街の警備隊の隊長もこの会議の場で選任するのがよろしいかと。私はバレンドルフ氏を警備隊隊長職の後任に推薦します」
僧侶メトラは警備隊の隊長に、評議会メンバーのバレンドルフを推した。
「ライラから領主代行者の権限を評議会議員全員の合議制とする案が、メトラからアンドレス警備隊の後任者にバレンドルフを推薦する案が上がった。これらの提案に賛成する者は挙手を」
全員が挙手した。
「アンドレスの街の領主代行はライラ、マリーナ、バレンドルフの三名とする。警備隊はバレンドルフに任せることにしよう」
アンドレスの街の領主代行と西公領の首都の評議会代行をこの三名、貴族ではない三名が任された。これは王都や他の公領が貴族が実権を握っていることを考えると異例の人事であった。
後日、バレンドルフが警備隊隊長に就任し、元北公領諜報員のレギーナが兵長として昇進し、アルベルがその補佐官として任命された。
女性の指揮官がアンドレス警備隊で任命された前例はなかったが、バレンドルフは他の兵長たちもふくめて訓練場に集めて手合わせしてみた。
バレンドルフが本気で手合わせをしなければならなかったのは、レギーナだけであった。
バレンドルフはレギーナを警備隊の師範に任命しようとした。師範は兵長たちの指揮を隊長に代行して指揮する権限を持つ。師範となることをレギーナは辞退した。そのため、兵長の階級に昇進することは承諾することになった。
ルミエールは、オーリッサの都で発生した大惨事の実情を知る全員を、この会議の場に招集した。
僧侶メトラが、神聖教団が狼などの獣に咬まれると発症する感染症の集団感染と判断し、また残された遺体が腐敗すると別の疫病の原因となる可能性が高いので現在、オーリッサの都への立ち入りを制限して処理にあたっている情報を全員の前で説明した。
かつて大規模な戦闘のあった戦場の周辺で、疫病が流行したことをふまえての処置である。発症してからやっと罹患していることに気がつくために治療が遅れて死亡する。
「アンドレスの街にも疫病の噂が伝わり、不安を感じている人たちも多いようです」
僧侶メトラの報告に、ルミエールがうなずいた。
疫病の噂の伝播による人々への心理的な影響は、大きく分けると三つであった。
刹那的な欲望や浪費に身を持ち崩す者。
疫病を神からの試練や罰と考えて、信仰にすがる者。
病の理由を想像して原因と思われる者を隔離したり危害を加える者。
アンドレスの街では、広場の教会に訪れて、祈りを捧げる者が多かった。
(ゾンビ化した人間を見ていたら、もっと混乱してただろうな)
アンドレスの街よりも南公領に近い地域やオーリッサの都から平原までの間にある丘陵地域では、強い酒や媚薬で身を持ち崩す商人たちや、発症前の疫病にかかっている者を判断して隔離や暴行を加えて殺害する村人たちもいた。

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