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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 118

アベコウキが、東公主リシャールと西公主ルミエールの兄妹の知らないうちに勝手に作った巨大魔法陣の結界の効果だと、南公主イグナートは知らない。
ルミエールの護衛を命じられた騎士ルシアとマルセリナ、あと吟遊詩人ディオンも参加したアンドレスの街の評議会会議が行われた。アベコウキもマリーナの隣に座って参加している。
アベコウキも参加するようにと、ルミエールが呼んだからである。
「首都オーリッサは現在の状況として住民が全滅してしまい、王都から派遣された王立神聖教団の僧侶たちが住民の遺体を疫病の蔓延を防ぐため火葬していて立入禁止となっている。また王命により私が西公主に選任されたが、首都の評議会議員も全員消息不明という状況だ。したがって、このアンドレスの街の評議会を、西公領評議会として政務を行う」
ルミエールがあっさりと言った。
どういうことなのかマリーナがわからず質問した。
「ルミエール様、西公領評議会って、他の街や村の代表者の人たちはいないんですか?」
「もともと西公領評議会に、今のところ行方不明のアンドレスの領主クロノバルコ氏が呼ばれていなかったことからもわかるように、他の街の領主や村の村長は会議に参加していない。オーリッサの都の評議会議員が無事であれば、この会議の場に呼んでいろいろと確認したかったのだが、残念だ」
(疑惑解明のため査問だろうな、それは)
アベコウキがそう思いながら、ルミエールとマリーナの会話のやり取りを聞いていた。
「さて、他に質問がなければ、このアンドレスの街の領主代行者を選出したいと思う。ただし、オーリッサの都の立入禁止の制限が解除されたら、新しい住民が集まってくるだろう。その時は私が公主としてオーリッサの都へ行かなければならない。よって私以外の者を推薦または立候補していただきたい」
ルミエールが全員の顔を見渡して言った。
ルミエールの公主としての初仕事は、アンドレスの街の人事であった。
指揮範囲の拡大によって、ルミエールの行動範囲が西域全域だけでなく、王都エルドニアに出向しなければならないこともあると予想したからである。
首都オーリッサの復興のため五年間の期限、つまり王国への納税を大幅に減税されている期間のうちに行わなくてはならない。
減税されているとはいえ、それは商業の拠点でもあるオーリッサの都と民衆を失った損失を埋めきれるとはいえない。
そのときライラが挙手した。
「ルミエール様が領主でないのなら、アンドレスの街に領主はいらない」
ライラは、領主の代行を評議会メンバー全員で行うという案を上げた。
現在の評議会のメンバーのうちルミエールと現在行方不明のクロノバルコ以外のライラ、マリーナ、バレンドルフの三名が領主代行を協議にて行うという提案である。
僧侶メトラは王立神聖教団の僧侶長であり、教団から転勤を命じられたらアンドレスの街から離れなければならないことが考えられるので、アンドレスの街の評議会メンバーには適任ではないことを、ライラが淡々とした口調で言った。
「その案に同意します」
僧侶メトラが挙手して言った。

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