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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 117

西公領の民衆が蜂起した混乱した状況であれば、陸路と海路から東公領を攻めることもできる。
東公領を陥落できれば、平原の王都エルドニアまでは街道が整備されている。進軍は迅速に行うことができる。王都エルドニアだけを制圧し、国王を殺さず、丞相の地位を脅して奪えば、東公領の抵抗する残党や北公主ヴァイナモを逆賊として宣言できる。北公領を王国軍に攻めさせることも可能となる。
西公領の蜂起した民衆をルミエールが制圧するか、説得した頃には、北公主ヴァイナモを始末できているだろう。
北から王国軍、南と東から増援した軍の三方から攻めれば、大陸を制圧して帝国を樹立できる。
西公領の混乱は、大陸侵略の突破口として計画されていたのである。
王都に近い東公領は、ギャングどもを使い混乱に陥れるには、騎士団や神聖教団の介入が容易すぎる。宮廷議会の中心となっている東公主リシャールは、王国の兵力の援助を求め動かすことができる。
北公領にギャングを潜入させても、公主ヴァイナモの統率された兵力によって狩られてしまうだろう。
西公主ダルア公は、王国の宮廷と疎遠で、他の公主とも対立もしていないが親密でもなかった。また、王都からは、他の公領よりも遠い。
商業ギルドは、王都の貴族のいる平原地域がおもな活動領域としている。ギャングが平原地域で目立つ活動をすれば、平原の魔女イラベラは宮廷の貴族の官僚どもに、騎士団と王国の兵士に警戒を依頼するだろう。
西公領は商業ギルドの息のかかった貴族がいない。開拓地であった歴史と戦地となった歴史がある地であり、王都の貴族どもの遠縁の家柄にあたる、没落した貴族が首都オーリッサに集まっていた。
没落した貴族の家名を買取して、貴族になりすますことはたやすい。こうして配下のサンダリオを、貴族としてオーリッサの都に潜入させた。
首都オーリッサより南は開拓者たちの末裔、戦後に現地に住みついた王国軍の兵士たちの末裔、旅商人たちが多く暮らしていた。
西公主ダルア公を快楽に溺れさせ、政務の権限を奪い、ギャングどもが活動できる土壌を、配下のサンダリオに十年以上かけて作らせた。
貴族とギャングの癒着。
西公主ダルア公がサンダリオと一緒に騎士団に摘発されることがあれば、貴族への反感の種を民衆に植えつける絶好の機会となるはずであった。
ルミエールがアンドレスの街のギャングを一掃したことを西公領の商人たちは知っている。またギャングと敵対するルミエールが、貴族の名家の令嬢であることで、貴族とギャングの癒着という、民衆を煽るための種は潰された。
新しい西公主ルミエールが就任したことで、敵対するギャングどもの活動が激しくなったと民衆に思わせればルミエールへの反感を育てることができる。
そのために、媚薬を大量に西公領に蔓延させるはずが、媚薬生成を阻止された。
(さすが東公主リシャールの妹といったところか)
かつて帝国を崩壊させた魔法技術を駆使した飛行戦艦を、東公主リシャールの祖父クリフトフ公と西公主ダルアの父親のテオドール公が考案しなければ、帝国の版図は大陸全域となっていたはずであった。
(いにしえの魔法技術をリシャールとルミエールの兄妹が継いで私の帝国の復興を阻むとは……)

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