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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 116

(さすがに金色の竜に変化するほど魔力が蓄積されたりはしないだろう。現在は6%、まだまだ容量は空きがあるな)
地底でくすぶる魔力の塊に100%魔力が蓄積すると「怪獣」金色の鱗の竜か出現する。
アベコウキは知らないが、過去に飛行戦艦や骸骨兵がアンドレス街の上空や周辺で魔力を奪われたことがあった。その魔力が6%にふくまれている。
女神ラーダが七色の光の輝く姿に具現化した力がどれだけ強い力の塊だったかアベコウキはわかって、本当に危なかったと思ったのだった。
騎士ルシアは魔力を小さな石板に捧げ、魔力を弾丸として射出する銃を具現化する能力があったが、アベコウキのこの魔力横取りの仕掛けで、石板に魔力を捧げても横取りされてしまい、銃の具現化ができなくなってしまった。
アンドレスの街を中心とする結界内で、魔法陣を使い媚薬の材料を取り出していたギャングと手を組んでいた呪術師たちは急に召喚魔法が使えなくなり、期日までに媚薬を作成しなければならないのに、と背筋に冷たい汗が流れた。
人の住んでいない荒れ地や砂漠地帯に拉致してきた衰弱した人間を材料に、媚薬の材料を取り出していたのである。薄紫の小さな石粒。アベコウキは真紅の純度の高い「賢者の石」を生成したが、呪術師たちは純度の低い「賢者の石」を魔法陣から人間を触媒にして取り出していたのである。
南公領で奴隷として身も心も媚薬でボロボロにされた女性や、ギャングに拉致された村の娘などが材料とされていた。
東公主リシャールは北公主ヴァイナモに書状を送ったように、南公主イグナートにも王国の宮廷議会の決議として王都から、新たな西公主にルミエールが就任することをあえて伝達させた。
(ルミエール……どんな手を使ったのか?)
南公主イグナートの耳に、呪術師による媚薬の生成が失敗していること、そのためギャングどもが目撃者を拉致して材料として消し去る証拠隠滅ができないことなどの報告が上がってきている。
南公領から媚薬を運ぶよりも、現地で調達させたほうが効率がいい。そして、ギャングどもの密売ルートからは南公領に到達しない。
ギャングどもを収入源にするためではなく、媚薬を蔓延させることで治安を悪化させることができる。
治安が悪化すれば隙が生まれる。民の忠誠が失われたとき、民に協力するように南公領から兵を送りこむことができれば、西公領を陥落できると考えていた。
西公主ダルア公の風評を貶めるために評議会議会として配下のサンダリオを十年以上潜入させたにもかかわらず、疫病で西公領の首都オーリッサが壊滅的な被害を受け、ダルア公は病死、サンダリオも行方不明である。
西公領の治安を悪化させ、愚かな老公主ダルア公に対して、民を蜂起させる計画は破綻した。
だが、誰が新たに西公主に就任しようとギャングと媚薬という毒は、じわじわと蝕むはずであった。
ギャングどもの媚薬密売ルートの元となっている呪術師の媚薬生成を阻止されたことは、計画が頓挫を決定づける出来事であった。
単純に西公領に兵力を投入して武力制圧しても、制圧後に支配する民が減少していては、他の公領の侵略に遅れが出る。平原の王国を制圧しても、他の公領主たちが服従するとは考えられない。王国の権威は失われた時代となっている。
東公領に進軍するにしても、陸路で兵を進めるならば西公領の南側を通過しなければならず、海路で東公領を攻めるならば戦線に投入できる兵力に限りがある。
東公領を攻めれば、西公領から国境を越えて王国軍が南下してくるだろう。

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