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奇跡の男と牝奴隷たち
官能リレー小説 - その他

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奇跡の男と牝奴隷たち 112

先代西公主テオドールは公領の1/3が砂漠化していることを危惧して農地開発を推進していた。
王国が南の帝国に宣戦布告を宣言すると、当時の東公主クリストフと連携を取り国境警戒を行いつつ、エード族の残した新兵器開発のために王国に渡り当時の北公主バーヴァリーとの会見を行った。
飛行戦艦が完成すると、そのまま帝都を陥落させるために自ら艦の指揮を取り出撃した。自爆することで帝国を滅亡させる作戦を実行した。
「もし王国が滅亡すれば、我が子や諸君らの子の命は奪われるだろう。それだけは許すわけにはいかぬのだ!」
と出撃の日にバーヴァリーに言い残したのを、北公主ヴァイナモは聞かされて育った。
英雄の命がけで守った息子はどれほどすばらしい人物だろうと北公主ヴァイナモは思い、胸を熱くしていたので、ダルア公と会見したときの落胆は、とてつもなく大きなものだった。
そのダルア公が記録では病死、実際はゾンビ化した民衆に喰い殺されたのだった。
北公主ヴァイナモは南公主イグナートの配下を抹殺するために手を打ったが、西公主ダルア公を今の地位から失墜させるさせる策を、騎士団を使って行ったのは、平原の魔女こと商業ギルドの首領イラベラであった。王国から公主の地位が貴族に与えられることになれば、また利益が得られると判断したのである。
騎士団を「商業ギルドの犬」とギャングどもは罵るが、違法の媚薬を密輸入しているのが、たとえ西公主ダルア公であっても躊躇することがなかった。
王国の民のために騎士団の騎士はいかなる困難があれど、その誇りにかけて職務を遂行する。それを胸に刻んで騎士ルシアは行動している。
騎士マルセリナは貴族の家系だが、直系ではないため庶民より裕福ではあったが収入源の領土がない。貴族出身の騎士に与えられる年俸は、宮廷官僚よりも高額である。マルセリナの家系の女性は、騎士として務めるか、土地や財産のある貴族に嫁ぐ、という選択が与えられていた。
貴族の家系の出身であれ、騎士となれば庶民から騎士となった者たちと、大差なく使われる。庶民から騎士となった者は、騎士は貴族階級と同等とされているので騎士への憧れを持っている者が多い。
騎士マルセリナには、ルシアのように騎士への憧れはない。騎士となった者たちが、ギャングと戦い使い捨てられるように死んでいくことをマルセリナは知っている。
任務失敗の原因がなんであれ、マルセリナは騎士として何か手柄を残さなければ、使い捨てられるという危機感がある。騎士団の人材として優秀な人物をスカウトすることも功績となる。
(アベコウキやライラを騎士団になんとか誘うことができないかしら?)
身分の高い貴族の名家出身のルミエールは無理だとしても、魔術の使い手や格闘戦闘の達人の優秀な人材を、騎士団にスカウトできれば、マルセリナの名誉挽回になるはずであった。
騎士団から「帰還せよ」という通達が商人が運んでくる手紙か、使者が王都からやって来て伝えられるまでの時間しかない。
ルシアは騎士団から、媚薬密輸入に関するアンドレスの街の調査と伝えられている。
マルセリナは貴族階級出身で功績を上げていけば、昇進することができる。それだけマルセリナには、騎士団から厳しい命令が下される。

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