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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 107

オーリッサの都のサンダリオの館の地下牢で、魔法陣が発動して、都全体を範囲とする不完全な蘇生の魔法の効果を発揮していた。
「今はオーリッサの都だけだけど、魔法が発動して街の人はもう全員ゾンビになってる」
「ゾンビって何?」
ライラがアベコウキに質問した。
「心臓は止まってる死体なんだけど、生きている人間を歩き回って食べようとするんだ。かじられてケガをすると、魔法の効果範囲にいるとゾンビになる確率は高いんだ。生きている人間がいないと同じゾンビの仲間も食べようとする。で、骨になっても動きまわる。骨になったら、スケルトンと呼ばれるけど……」
「よくわからないけど、死体が生きている人間をかじる」
「そう、かじる。クロノバルコさんもかじられて、今ごろゾンビになっちゃってる」
吟遊詩人ディオンは、戦時中に髑髏の兵士が使われたことがあると話をした。
「誰かがオーリッサの都で呪術を行ったのなら、そういうこともないとはいえないと思います」
吟遊詩人ディオンがエリシーヌに言った。
「アベコウキ、そのゾンビとやらはどうしたらいいのか、あと噛まれたら対処法はあるのか?」
エリシーヌの質問にアベコウキが答えた。
「ゾンビになる前なら解毒の魔法でゾンビ化を遅らせることはできる。かじられる前に解毒薬を飲んでおくのも効果がある。でも、遅らせるだけ。傷を治療してもゾンビになっちゃうんだ」
アベコウキはゾンビ化する魔法を発動している何かがあって、それを壊せば、ゾンビも、スケルトンも停止することを話した。
「ゾンビも、スケルトンも、一体ずつ魔法の印をつけて自分が襲われないようにするんだけど、こんなに急激に増えるのはたぶん誰でもかまわずかじらせてるからだと思う。あと、操っているとしたら操れる範囲があるはずなんだ」
「誰かが、都の人間をゾンビにして操っている?」
ライラが言うとアベコウキが答えた。
「操るのに失敗したんだろうな、きっと」
アベコウキの推測どうり、館のメイドをゾンビ化してしまったサンダリオは、喉を喰いちぎられた。
「アベコウキ、私たちにできることはあるか?」
ルミエールが、アベコウキの顔をまっすぐ見つめて言った。
「アンドレスの街の魔法陣をオーリッサの都につなげば三人までなら今すぐ行ける。原因になってるゾンビを作り出すのに使われた魔法陣があると思う。それを壊そうとするときっとゾンビが集まってくるから、破壊するまでしのぎきってほしいんだ」
「わかった、私が行く」
ルミエールが身支度をしてくると言い、執務室から出ていった。

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