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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 106

商業ギルドの首領イラベラが王都に逃げ込むまでに異変に巻き込まれた犠牲者がいた。元マリーナの夫とその愛人は、オーリッサの街を徘徊する死人となって、おたがいを貪り食っていた。
オーリッサの都の死人の群れは都から出ずにおたがいを喰い合っていた。やがて、それは肉のない髑髏の群れとなった。
呪術師の弟子が残した不完全な記録をさらに不完全に試した結果であった。
もう一人の犠牲者についてもここで語っておく必要がある。アンドレスの街の領主クロノバルコは、広場の収益金を持ち、広場に来ていた商人たちとオーリッサの都に気楽に旅行に来ていたのだった。
アンドレスの街の領主は、必死に街の路地を逃げたが都から出る直前に群れに追いつかれて喰われた。
街の情報を暇つぶしで見ていて、アンドレスの街に領主が「なし」になった異変に気がついたアベコウキが、領主クロノバルコが旅行に出かけていることを、マリーナと一緒に街で聞き出した。旅行先はどこか、誰なら知っているか考えて、僧侶メトラに広場の教会に行きたずねてみると、西公領の首都であるオーリッサの都だと判明した。
「コウくん、領主様が亡くなったって……」
「まちがいない。でも、こういうときは誰に話をすればいいんだろう?」
「エリシーヌ様じゃない?」
マリーナが言うので、アベコウキとマリーナは広場から警備隊屯所の近くの路地に移動した。
警備隊屯所のエリシーヌの執務室を、アベコウキとマリーナが訪ねてきたとき、ちょうどその少し前に吟遊詩人ディオンとライラが執務室でエリシーヌに結婚の報告をしているところであった。
「今日は来客の多い日だ」
吟遊詩人ディオンとライラは、アベコウキとマリーナが緊急の要件があると訪ねてきたことを聞いて、エリシーヌはそのままこの場にいる全員で話を聞くことにした。
領主クロノバルコが死亡したとアベコウキはいきなり言ったので、意味がわからず、吟遊詩人ディオンがもう一度聞き直した。
「アンドレスの街の領主はクロノバルコさんだったけど、いなくなってる。旅行に行ったのはメトラさんから聞いたけど、たぶん、何かあったんだよ」
「導師様、それは預言ですか?」
吟遊詩人ディオンは、神官や高僧が未来予知をすることがあるのを知っていた。

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