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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 103

大平原の中央に王都があり、王都から南公領以外の各公領の首都へ長い街道が続いている。街道沿いには宿場街がある。この宿場街はもともと行軍時の駐屯地の役目があったのだが、戦後は旅商人たちが補給や宿泊のために立ち寄る街として使われている。
アンドレスの街は開拓民の居住地であったが、南の帝国との戦いのときには、西公領の首都と東公領から戦場へ向かう途中にあるため、駐屯地とされた。
アンドレスの街までは、南の帝国軍は進軍しては来なかった。それは王都からアンドレス上空付近まで飛行戦艦が順調に飛行してきたが出力が低下し、南東へ進行方向を変えて東公領から海上へ出なければならなかったのと同じ理由による。
帝国軍は戦で死亡した敵味方どちらの遺体からも髑髏の兵士を作り出して進軍させたのだが、アンドレスの街に到達する前に、進軍を停止して進まなくなってしまったからである。
食糧や水の供給も骸骨の兵士には必要ない。途中の村や街では髑髏の兵士は、連合軍の兵士か住民か関係なしに襲いかかって虐殺した。歩兵のため進軍の速度は騎馬隊よりも遅いが、人間の歩兵よりかは迅速な行軍を実現した。
この髑髏の兵士をアンドレスの街周辺に近づけさせなかった見えない力は、現在ではダンジョンと街の魔法の仕掛けを稼働させている動力源として使用されている。
南の国境から大平原の中央の王都まで、直線で最短距離を進軍すると、ちょうどアンドレスの街を通過することになる。
髑髏の兵士を考案した呪術師は、髑髏の兵士を制作時に髑髏の兵士に囲まれて殺害される事故で死亡した。呪術師の身を守るための魔法陣が不完全であったからである。その呪術師の弟子によって髑髏の兵士の王都への進軍が実行された。魔法陣の準備を行ったのは呪術師の弟子だった。
呪術師の弟子は、帝都の復興の混乱期に南公領から逃げ出し、女性の遺体を蘇生したかのように短時間でも動かす研究をひそかに平原寄りの西公領のはずれの村で、王立神聖教団の僧侶と偽り名を変え潜伏したときに、必要に迫られて行ったが、ライラを召喚してしまい殺害された。
村人の女性に、睡眠薬を飲み物に混入して与えたが、そのまま意識を失い死亡した。そこで骸骨の兵士のように遺体を動かし、高い建物の窓から女性が身投げしたように見せかけるつもりだった。
その女性の名前はライラという。異界から召喚されてあらわれた者を、死亡した女性の名前で、師匠殺しの弟子は呼んだのだった。
こうして連合軍を壊滅寸前に追い込んだ骸骨の兵士の制作方法は、世界から失われたはず……であった。
ある呪術師の日記を手に入れたのは「悪趣味な牢部屋」を館に持つサンダリオである。
日記には呪術師の師匠と弟子が骸骨の兵士を作り出すまでに、もともとは女性を拉致してきて服従させる実験を続けていたことや、弟子が師匠を裏切り功績をひとりじめにするために魔法陣を描くときにわざど失敗しておいたこと、南の帝国が王国と同盟するときの混乱のなかで逃げ出したこと、僧侶に変装して村人をだまして服従させる実験を再開したことなどが書かれていた。

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