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奇跡の男と牝奴隷たち
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奇跡の男と牝奴隷たち 102

東公主リシャールの組織。
王国の宮廷は大きく分ければ二つの派閥がある。商業ギルドからの借金がある貴族階級の幕僚の派閥と東公主リシャールを中心とする領土は持たないが貴族の階級が王国から与えられた家柄の者たちの派閥である。
騎士や僧侶でも組織幹部は、貴族の階級を与えられている。戦争がなく、新たな領土を領地として獲得して貴族として支配者となるように分配することができなくなった王国は、土地を持たない貴族階級を作り出した。それらの貴族たちは、商業ギルドが担保とする領地がないために宮廷会議の発言権や投票権はあるが、商業ギルドからの借金がない。
東公主の一族は、土地を持たない貴族階級の者たちを今のリシャールの代になるよりもずっと昔の五大国の連合国家として樹立した頃から資金援助や移住の協力などを行って保護してきた。
英雄たちは血を流し、また命を落としたが、戦争を王都で任せていた貴族たちには土地を与えられた。だが、戦場で生き延びた者たちには権利だけを与えられて富の分配を受けられなかった。
当時の初代東公主は、自国の兵を率いて戦場を駆けた武勇の人だったと伝えられている。
吟遊詩人ディオンによれば、荒唐無稽な物語が帝国と連合国の国境防衛戦にはある。
東公主が率いる連合国軍は、人間ではなく武装した骸骨の兵士の軍勢と戦った。苦戦を強いられたが、帝国軍は連合国軍を壊滅せずに撤退した。
連合国軍は王都から一隻の軍艦が南の帝都へ、内陸を本来の計画では最短で横断するはずだったが、途中で出力低下のトラブルがあり、迂回せざる得なくなった。海の上を飛行して予定よりも遅れたが、逆に内陸を移動するより目立たず帝都に到達して、奇襲に成功した。
骸骨の兵士、空を飛行する鉄鋼で作られた戦艦。
高度な魔法技術が導入された戦争だった。
この魔法の技術が導入された飛行する戦艦は、帝都を陥落させることはできなかったものの多大な被害を与えた。戦艦は王都へ帰還することなく、帝都で消滅した。そのため西公領まで進軍していた帝国軍が、撤退しきれず撃破された。この戦いのあと南の帝国をふくむ五大国の同盟が成立した。
鋼鉄と加工は北公領の職人が、船の基本となる設計は東公領の船大工が、強化と飛行能力をくわえたのは王都の学者たちが行い、ただ一隻のみの戦艦が完成した。
終戦後から今まで自爆する仕掛けが搭載されていた飛行する戦艦は製造されていない。
王都で捕縛されて処刑されたエード族の石職人たちが飛行する戦艦の原案を残していた。この話をアベコウキが聞けば、古代エード族が金色の竜が出現したとき戦うために考案した兵器だったと想像がつくだろう。
その飛行する戦艦の設計図は、東公主の館に今でも保管されているというのだが……。
それとは別に、東公主リシャールは、いずれ宰相となるのではないかとの噂がある。宮廷会議で協議され、過半数の票が集まれば進言され、国王の採決しだいでは宰相という国王を代行する権力を持つ地位の権力者があらわれる。
こうした大陸の勢力がある状況で、東公主リシャールの妹ルミエールは、西公領の中央付近にあるアンドレスの街の警備隊の隊長をしている。
勢力というにはあまりにも小さな組織だが、アンドレスの街には、ルミエールを筆頭に、エード族の末裔の僧侶メトラ、商業ギルドの養女ライラ、傭兵バレンドルフなど優秀な人材が集まっている。
評議会メンバーの元主婦マリーナも、今は普通の街の住人というには桁違いの戦闘力を秘めている。
そしてアベコウキという、吟遊詩人ディオンは導師と呼ぶ人物がいる。人材だけならば、大陸で最強である。

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