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初恋の人は
官能リレー小説 - その他

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初恋の人は 42

アスリート系女子の宿命かもしれないな。
俺と昔からつるんでる悪友の一人は「あの子はおっぱいのついたイケメン」だなんて称してた。
確かにスタイルはモデルやっててもおかしくないし、その通りだと思う。
兄である俺も男と思われてないのか、実家から出て行く直前でも風呂上がりにバスタオル一枚で家の中を闊歩する妹に出くわしたことがあった。


きららを不意に後ろから抱きしめてみる。
「料理できてないよ、お兄ちゃん」
「今はきららを食べたい、って言ったらどうする?」
「やん♪お兄ちゃんのエッチ」

うーん、むしろ友人の妹みたいな感じかもしれん。うちの妹は「お兄ちゃん」なんて呼んでくれなかったしな…

きららがくるりとこちらを向いてキス。
殆ど化粧をしていない風だからか本当に学生に見える。

「でも、女子高生はこんな下着履かないと思うぞ」

ペロンとスカートを捲ると、その下はTバック。
殆どセクシー系の下着しかないきららだから高校生らしい下着なんて持ってない筈である。

「ふふ、結川きららは性教育だけ熱心なJKだもの」

お尻を撫でられて嬉しそうなきららが言う。
そして熱い吐息と共にこう言う。

「喜多岡由衣は・・・セックスしに学校通ってたけどね」

その言葉に改めて彼女にとって制服はエッチの小道具でしかないんだろうと思った。
青春の象徴の制服すら男の欲望で汚されてきた訳だ。

「だから、今日はたっぷり可愛がってねお兄ちゃん!」
「全く・・・何着ても可愛い奴だなきららは」

そう言ってキスを交わす。
そして少し身体を離して、出来かけの料理を少し摘む。

「・・・アンナの味だな」
「うんっ!随分色々教えて貰ったからね!」

きららも料理は上手かったが、アンナの腕前はそれを遥かに超える。

「いずれ、アンナさんと2人で小料理屋でもできると嬉しいなって話したりしてたわ」

彼女達はAV女優だ。
普通の家庭を持てると言うのは稀で、AV女優と言う過去は烙印のように人生につきまとってくる。
故に彼女達は独りで生きていくセカンドキャリアを考えねばならない。
よくあるパターンが金のある男の愛人になって店を持して貰うとかはよく聞く。
アンナやきららに直接そんな話を聞いてる訳ではないが、あのアンナの料理の腕前ならそれもありだろうと思う。

「毎日コーくんが通ってくれて・・・店を閉めて洗い物する私達の後ろから襲いかかってくるとか・・・」
「おいおい、何でもエロに絡めるなよ」

たとえどうであれ、将来を語れるのは大きな事だ。
そして、今も充実しているからいい。

「本気でお腹空いてきたな」
「うん、たっぷり食べてたっぷりセックスね!」
「だから隙あらばエロを絡めるなよ」

「だってコーくんもエッチなんだもんっ!!」

そう言って俺の手から逃れ再びキッチンにて食事の準備をテキパキ進めるきらら。
変に手際もよくて、しっかりしてて、それでいてやんちゃで生意気な妹みたいで…

「ま、身の回りの世話だってやらされてたんだけどね」
「やっぱりそうか」
「今は違うからね。コーくんのために尽くす女になりたいんだから」

盛り付けまで丁寧に済ませるとリビングに持っていき2人で夕食を食べる。
アンナ仕込みの味はとても美味しい。

「やっぱり自分で作ってみると、アンナさんの腕の凄さが分かるわ」
「殆ど家で引きこもりだったから、料理ぐらいしか楽しみが無かったとか言ってたな」

多分アンナは子供時代からある種花嫁修行とやらをしていた家庭なんだろうと思う。
そして、将来の旦那となる筈だった婚約者の為に腕を磨いていたんだろう。
料理だけでなく、他の家事もハイレベルなのはそう言う事だと思う。
だけど、そんな夢や将来は潰れてしまった。
その代わりに俺の生活が豊かになったのだから、俺としては喜ぶべきだが不憫さも感じてはいた。

「私も他の人の為にやって感謝される事も多かったから家事は嫌いでは無いわ」
「うん、きららにもアンナにも感謝しかなあからな」

俺の言葉にニッコリするきらら。
でも、彼女達が求めて止まない普通と言うのが実にハードルが高いものだと愕然とする思いもあった。

「男の人にご飯を出して、私ごと食べて貰う・・・今はそれでいいかな」

そうやって生きてきた。
これからもそう生きるのだろう。

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