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初恋の人は
官能リレー小説 - その他

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初恋の人は 1

その日はバイト先の仲間との飲み会だった。
いい人たちばかりだし職場でもこういうときでもすごく居心地はいいんだけど、大学1年生・未成年の俺は酒飲んで幸せそうな先輩たちをちょっとうらやましく見ているだけで、下っ端でもあるから好きなメニューにがっつくこともあまりできず先輩たちの話を聞いていた。マジでいい人たちなんだけど。嘘はついてません。


そんなわけで、飲み会が終わり帰路に就く途中で腹を満たすために一人でもう一軒、ラーメン屋に入った。
セットメニューも割と安く、大盛りも無料でできる。そして夜遅くでも営業してる。
明日から2日間バイトは休みだから、ゆっくりできる時間もある。

店内は空いている。俺は入り口に近いところのカウンター席に座った。
向こう側のテーブル席では4人の若い女の子が楽しそうに大声で話している。ちらっとその方向を向くと、どの子もかなりレベルの高い子ばかりだった。だが、直後、俺は気づいてしまう。

そのグループの中に、小中学校の同級生の顔を見つけてしまった。
幼稚園は違ったけど家が近所で幼馴染。幼いころから無邪気な笑顔が可愛くてどんな男も無自覚に虜にしてきた美少女。
そして俺の、初恋の人。

気になるけど、気づかれたくなかった。
会うのはいつ以来になるんだろう。中学の卒業式とか、そのあたりだっけ?もし気づかれたらどんな顔すればいいんだろう。俺は彼女の今の職業を知ってるし、その…お世話にもなってしまった。辛い気持ちがあった。

再び視線を向ける。彼女の目が合った…ような気がした。慌てて視線を逸らす。

初恋の美少女・幼馴染、喜多岡由衣。そして


『キセキの美少女Debut 結川きらら18歳』
『結川きらら 激イキNONSTOP180分!』
『激カワ激エロバスガイドと行く2泊3日生中出し温泉ツアー』
『新人ソープ嬢初出勤・結川きらら』

彼女はAV女優になっていた。しかもデビュー直後から大人気の。しかも一緒にいる3人の女の子も、俺がある意味でお世話になってるAV女優だった。

気にし過ぎたらいけないと思う。でも、気にしないままなのも無理だ。
彼女たちの顔を見ただけで股間がムクムクと膨らみかける。ここじゃ駄目なのにと思いつつも。

店員にメニューをオーダーすると、いったん俺は席を立ち興奮を鎮めるためトイレに入ろうとした。
そこで、予想外の事態が起こった。

「久しぶり!コーくんだよね?中学の卒業式以来だよね」

なんと彼女の方から俺を追って、声をかけてきた。

「ああ、喜多岡なの?」
「すごーい!覚えてくれていたんだっ!」

喜ぶ彼女とどう言う態度をすればいいか分からない俺。
久しぶりだと言うのもあるが、非リア充陰キャの彼女居ない歴=年齢の俺。
そして、目の前には相当経験を積んだ事だろうAV女優。
しかもそれが久しぶりに会う幼馴染とくれば戸惑わない訳も無い。

「いきなり居なくなってビックリしたけど、元気そうで何よりだ」

中学卒業暫くして彼女の家は夜逃げで空き家となっていた。
空き家となった家の周囲に風体の怪しい男達がウロウロしていたし、大人達の何も聞くな的な雰囲気で子供心に色々悟った覚えがある。

「うん、元気にはしてた・・・ちょっと話せる時間はあるかな?」
「食事済ませてからならいいよ」

そう言ったら彼女は待ってるわと答え一旦離れる。
俺は食事を手早く終わらせて勘定を済まして店を出ると、彼女が一人で待っていた。

「おまたせ」
「少し場所を変えていい?」

彼女に促されて夜道を歩く。
財布には余裕があるし、このまま飲み屋に行くのもいい。

俺は大学生とは言え、比較的親が裕福だから余裕もある。
バイトしてるのは社会勉強してこいと言う親の勧めもあっての事で、本来必要としない。
まあでも、バイトは楽しいし、これからの自分の為にもなると思っている。
大学も誰もが知る国立大で、人生としては上手くいっている方だ。
対する彼女は、僕と比べるべくもなく人生ハードモードなのだろう。

「君に会う前に、君の今現在は知っていたけどね」
「あっ、そうなんだ・・・まぁ、意外とバレるものよね」

彼女は否定もしなかった。

「あんな居なくなり方をすれば、何があったか想像できるし・・・まあ仕方ないんだろうね」
「うん、親の借金でああなったけど・・・今は比較的いい生活かな」

恐らくそのいい生活も身体を売って得たものだろう。

「まあ、無事に生きているだけで良かったさ」

例え彼女の苦難が分かっていても助けれ無かっただろうし、今もどうしてやれる事も無い。
久々に会えて良かったねと言う程度しか言えない話だ。

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