初恋の人は 41
「コーくんは本当に悪戯っ子ね!」
「ふふ・・・昔もそんな感じでしたわね」
会話を止めた2人が笑う。
「悪戯っ子だったけどね・・・当時私のスカートを捲った男子を浩輔さんが殴った事があったりしたの・・・当然怒らないといけなかったけど、あれはちょっと嬉しかったわ」
「ふふ・・・コーくんって結構正義感強かったからね」
正直記憶に無いが、多分当時の俺ならやってるかもしれない。
「アンナは俺の女だからな」
「ふふ・・・その当時から浩輔さんのモノになる運命だったのかもしれないですね」
嬉しそうに頭を寄せてきたアンナ。
俺はアンナの乳を掴んだまま捏ねる。
「当時からコーくんはカッコ良かったよ!」
「全くモテなかったがな!」
そう、今の今まで俺はモテた事が無い。
告白した事もされた事もない陰キャだった訳だ。
モテなかったからきららやアンナに再会できたかもしれないから皮肉なものだが・・・
「学園祭の準備の時、重いモノを独りで持っていってくれたりね。コーくんは力持ちでとっても頼りになった」
「まあ、それだけが取り柄みたいな感じもあったな、あの頃は」
おまけに学園祭の最中にきららが犯されてたなんて知っちゃったし…甘くて苦い青春の話だ。
「当時からお似合いだと思ったんだけどね、嵯峨くんと喜多岡さんは」
アンナが当時を思い出すように語る。
「小学生の悪ガキとお嬢様たぜ・・・お似合いじゃないだろ?」
「男らしいって言う人気もあったのですよ」
ニコニコと俺にそう言うアンナの頭を撫で昔を思い出しても残念ながらモテた覚えは無い。
「今もこうやって、男らしい・・・私は浩輔さんにずっと貢いで尽くしていきたいです・・・」
貢ぐと言うのがセックスを生業にする彼女達の最大の愛情表現と言っていた。
いくら愛してると言い身体を重ねても、彼女達は仕事として他の男に抱かれる。
「私も沢山稼いで、コーくんに沢山貢ぎたいわ」
きららもうっとりとそう言う。
アンナもきららも仕事以外でも男とセックスする。
もう、1人の男では満足できなくなっているのだろう。
だからこそ、貢ぐと言う行為でしか好意を伝えれないんだと思う。
「ああ、ちゃんと受け止めてやるさ」
「コーくん、大好き・・・」
「浩輔さん、愛してます・・・」
両手に花とはこの事だ。
しかも正反対のタイプのAV女優をモノにしてると思うと、その事だけで興奮する。
3人での旅行は滞在中ずっときららかアンナか、どちらかを必ず抱いていた気がする。精子がすっからかんになるのではと思わされるくらいヤリまくった。疲れたけどとても満たされた気分だった。
「おかえりコーくん。今晩ご飯作ってるからね」
「おう、いい匂いだな。期待してるよ」
大学から帰るときららが迎えてくれる。アンナが撮影で数日外出なのだ。
きららが家事をやってくれるのだが、格好がまたなんとも言えない。
「…きらら、なんでセーラー服なの?」
「憧れだよ。設定はお兄ちゃんの帰りを待ってたJKの妹かな」
憧れか・・・
彼女は確か高校には行っていない。
もうその時期は身体を売って生活していたらしい。
「まぁ、私にとって制服はエッチの小道具でしかなかったんだけどね」
本当に制服着ていた中学時代もそうだったんだと言う話だ。
今着ているのと同じで、当時もコスプレ感覚だったのかもしれない。
「だけど、いいものだな似合ってるし」
「まだ卒業したての歳だしね!」
そうなのだ。
年度替わりまでは俺もきららも高校生だった年齢だり
デビューして瞬く間にトップになったきららだけど、まだデビュー1年経っていないのだ。
「ポニーテールなのもいいな」
「ユーちゃん意識してみたけど、どう?」
今年中三の妹は小学生当時からポニーテールだった。
きららは多分その頃のイメージで語っているんだろう。
「ユーちゃん、きっと綺麗になってるんだろうね・・・私みたいな汚れた女じゃなく」
「きららはきららだ・・・俺は今のきららが好きだぜ」
妹と確かに綺麗なんだが、男の話は聞かない。
何やら女にモテて男にモテないらしい。