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初恋の人は
官能リレー小説 - その他

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初恋の人は 2

「この後どうしよっか?」
「もう一軒くらい行ってもいいし、喜多岡がいい店知ってたら…」
「うーん……コーくんって、ひとり暮らし?」
「うんまあ今は…」
「コーくん家、行ってもいい?」

親からは社会勉強の為にもやってみろ、とバイトと共にひとり暮らしも始めた。楽でもあるし親の存在の大きさも思い知った。やってみたら楽しさ大変さ半々といった感じだ。

「私も近くに住んでるんだけどね」

喜多岡が行きたいと言うなら断れない。でも、俺ん家には喜多岡のお仕事でもある「作品」がたくさんあるわけだ。

「喜多岡はどんな所住んでるんだい?」
「今は事務所の用意したシェアハウスで同じ事務所の子と住んでるわ・・・そっちは男子禁制で、カレシ作ったら出て行く子が多いって話よ」

彼女がデビューして1年弱。
両親はと流石に聞けないが、多分一家離散なのだろう。
だから恐らく高校にも通ってないかもしれない。

「そっか、やっぱり彼氏になるのは男優が多いの?」
「それは殆ど無いみたい・・・みんな上手いんだけど、仕事モードになっちゃってそんなムードにならないのよ」

そうなのか。
てっきり業界内でカップルになるものだと思っていた。

「だから、この仕事に理解あるカレシか、割り切ったセフレか、そう言う付き合いをするみたいね」
「意外だな・・・他所で彼氏作ったら辞めるのかと思ってた」

やっぱり辞めれなくなるのか。
もしくは借金とかで辞めれないかなのだろう。

喜多岡の見た目だけなら全くAV女優に見えないが、多分喋り方からして風俗業に抵抗が無くなって久しいのだろう。

しばらく2人で夜の明かりがともる街を歩き、喜多岡と一緒に俺が一人暮らしするマンションまでやってきた。

「いいとこだね」
「まあな」
中小ではあるがうちの親は自営業で最近結構儲かってると聞いた。俺が国立大に合格したからご褒美だ、と言って結構いい部屋を宛がってくれたと思う。ホントに感謝するしかない。

「コーくんはさ、私の……見た?」

エレベーターで上がる途中、喜多岡が突然尋ねた。何を見たか、という問い、俺は一瞬で察した。

「うん……」

迷ったが、正直に頷いた。喜多岡はあの頃と変わらない笑顔だった。

「そっか、見たんだ。コーフンした?オカズにした?」
「うん……何回か。ごめん」
「コーくんは謝らなくていいよ。よかった。嬉しいのかな、ホッとしたって言うのかな、なんか…」

ホッとしたと言う表現に、俺は複雑な心境になる。
彼女は俺に声をかけてきた時、どんな心境だったんだろうか。
そして、今俺の部屋に向かっているのはどんな心境だろうか。

エレベーターが止まる。
そこから歩いて一番奥の部屋。
それが俺の部屋だ。
何時ものように鍵を開き中に入る。

「あら、思ってたより広い」
「ああ、一人だと持て余し気味さ」

学生の一人暮らしなら量やワンルームだと思うが、ここは1L D Kだ。
つまり、一人暮らしには結構広い。

「私なんてここより狭くて4人部屋だもの!」

ソファーとテレビ程度しか置いていないリビングを一望しながら彼女がそう言うが、どこか楽しそうにも見える。

「ギャラはいいんじゃないの?」
「まあほら借金やら何やらがあるし・・・それに同年代の女の子ばかりの生活も悪くないわ」

喜多岡と話していて思うのは、彼女が以前と変わってないように思うのはこの明るさからだろう。
借金抱えてAVまで堕ちた暗さが無いのだ。

「じゃあ、さっきの子達はルームメイト?」
「うん、そうだよ」

やはり、同業者か。
見た事のある子達だったし、そんな気はしていた。

そんな会話をしながら俺はソファーに座ると、喜多岡は俺の隣に座ってくる。
彼女が近い・・・
あの頃から大きなおっぱいは、今や暴力的に大きい。
服の上からでも十分過ぎる大きさだし、俺は当然映像でこの中身も見ている。

「喜多岡・・・」
「ふふ、違いまーす!・・・結川きららのお宅訪問でーす!」

彼女はそう言いながら身を寄せてくる。
これは結構ヤバい。

「その気で来たんだからねっ、コーくん!」

ニッコリ笑う顔は、もう喜多岡と言うより結川きららそのものだ。
思えば、レンタルビデオ屋のAVコーナーで結川きららのパッケージを見た時は衝撃だった。
デビュー作のそれは、黒髪のロングで制服姿・・・
あの頃の喜多岡由衣そのものだった。

次の作品からは今みたいに髪を明るく染めて今時に垢抜けたけど、更に綺麗に見えて胸がざわついた。
その彼女が、今目の前で俺の至近距離に居る。

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