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ネットカフェの罠
官能リレー小説 - その他

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ネットカフェの罠 9

「ここは……私はいったい……」
ネットカフェのマットブースで三時間ほど眠り続けた夕美が気だるさを感じながら身を起こした。
服装の乱れもなく、面接の途中から記憶が途切れている。
室内から出て、受付カウンターにむかった。
メイド型アンドロイドが、面接中に気絶したことや、店長から後日結果は連絡することを告げる。
夕美に履歴書は返却された。
「本日はおつかれさまでした。お気をつけてお帰りください」
淡々とした口調で告げられ、夕美は肩を落としながら帰っていく。
バックに高性能の発信器を仕込まれているとはまったく気づかずに。
夕美の連絡先や住所を知るためではない。履歴書のコピーは保存してある。
駅のホーム。帰宅する会社員と街へ気晴らしにやってくる連中がたくさんいる時間帯。
夕美は並んで電車の到着を待っている。
その後ろ姿を制服ではなくラフな私服に着替えた店長が、夕美から距離を置いてながめていた。
発信器は全身整形の美熟女たちをなぶり尽くして、実験を繰り返した成果から設計開発したものである。
夕美と同じ車両の別のドアから車内へ。
店長はたまたま空いた席に座って夕美の位置を目で確認した。夕美は車両の真ん中あたりで、つり革につかまって立っている。
電車がゆっくりと走りはじめた。
乗車して五分後、店長が改造携帯電話から夕美の発信器を発動させた。
夕美がつり輪をぎゅっと強く握りしめる。車両の揺れとは違う、わずかな体の揺れ。
途中の駅で乗車客が増えはじめた。
夕美がうつむき、唇を噛んで頬を紅潮させている。夕美の隣で携帯電話の画面を見ている中年男性、むかいの席でうたた寝をしている中年女性は夕美には無関心である。
夕美は必死で声がもれそうになるのを我慢していた。快感の声を。
同じ車両で人の隙間から店長はちらちらと夕美の様子を観察している。
夕美が自分の口を手でふさいだ。
あと二駅でふだんなら夕美が降りる駅に到着するが、ふらつきながら電車を降りホームのベンチに座りこむ。
電車から降りた他の乗客たちが、スカートの股間の上にバックを乗せて、うつむいたまま震えている夕美の前を通りすぎていく。
電車が駅を離れてゆく。
「大丈夫?」
夕美が声をかけられ涙目で顔を上げた。

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