闘技場でセックスバトル! 25
入口付近は明るくなっているが奥の方は全く見えない。
中からは獣臭さが立ち込めている。
「ここってまさか……、やめろ!そんなところに入るなんて正気じゃない!」
ロドリゴが叫ぶ。何か知っているようだ。
「ロドリゴ、ここは一体何なんだ?」
「知らないのか?ここはオークの巣窟だ」
「オークって…そんなものが実在するのか?あれは創作ではなかったのか?」
「俺もオークは見たことはない、でもここは昔からそう呼ばれていて誰も近寄らないんだ」
するとようやくジュアンが正気を取り戻した。
「ジュアン大丈夫か?」
「あぁ、どうにか…」
ジュアンはまだ状況が整理できていない。
しかし、彼は俺よりもずっと頭が良いのだ。きっとすぐにこの状況を理解するだろう。
俺たち三人は大男に連れられて洞窟の中へと入っていった。
洞窟の中には松明のようなものがあり、薄暗いながらも何とか歩ける程度には明るい。
所々水溜りがあるが、それほど深いものではない。
ロドリゴは未だに不安感を露にしていた。
「本当にオークが出てきたら時間稼ぎくらいはしてくれよ」
「もちろんだ。なんとかしてみよう」
アンシャンドと名乗る男は足を止めずに答えた。
そして、前方を指差す。
「見えてきたぞ」
そこには巨大な緑色のクリスタルがあった。
天井まで届くほどの大きさで、まるで発光しているかのように輝いている。
「綺麗だ……」
思わず呟いてしまう程に美しいものだった。
しかし、それがただの結晶ではないことは一目瞭然だった。
クリスタルの中をよく見ると緑色の肌をした筋肉質な男達が素っ裸で絡み合うように押し込められている。クリスタルが緑色に見えたのは男達の肉体の色だったのだ。
牙を生やした彼等はオークに間違いなかった。
「本物のオークなんて初めて見た…」
ジュアンが言う。
「見た感じは肌が緑色をしているだけの人間にしか見えないな。特別体が大きいわけでもないし」
俺は思ったままを口にした。
ロドリゴも拍子抜けしたようだ。
「確かにな……。俺ももっと醜悪なものを想像していたが、案外普通の人間のように見えるな」
「でも、もしこのオーク達がこのクリスタルから出てきたらかなりまずいな。人数に差がありすぎる」
ジュアンが冷静に分析する。