天才幼女留学生の誘惑 9
「どうしたの佳成」
「ん?いや何でもないさ」
紅茶とお菓子を前に幸せそうな顔していたメアリーを眺めていたら、不思議な顔をされた。
「メアリーがそうやってるところを見てるとこっちも幸せになれるな、って思っただけさ」
「佳成とこうしていると、私も何だか、幸せだよ。
このままおじいちゃんとおばあちゃんになっても、こうしていられたらいいね」
何気なく言ったのだろう、メアリーも答える。
おじいちゃんとおばあちゃんになっても……か。それって……
「あ、いや、その、まあ佳成と、なら…」
「そ、そうだな……」
ほぼ同時に意味に気づいて、俺たちは照れて慌てふためいていた。
やがて俺の両親が帰って来て、「今日は出かけるんじゃなかったの?」なんて聞かれたが「まあ、いろいろあって…」とメアリーと一緒に誤魔化した。
その日の夜、メアリーは非常に積極的になった。
親も眠りについた頃、部屋のドアがゆっくりと開くと、ベッドの中に何やらもぞもぞと潜り込んだ「何か」。
身を捩じらせると「キャッ」と小さく可愛らしい叫び声が聞こえた。
「………何やってんだ、メアリー」
「佳成の……夜って、どうなってるのか…」
言ってることがよくわからない。まさか夜這いにでも来たのか。
「男の人って、寝てるときは勃起してるって聞いたから……見てみたくて」
なんだそりゃ?と思ったが、天才ゆえの奇矯な発想だろうか。
明かりを点けると、メアリーがタブレット端末とタブレット用のペンを慌てて隠すのが見えた。
「まさか、寝てる間の俺のを写真に撮ったりイラストを描いたりしようとしたのか?」
「……ごめんなさい」
「せめて許可を取って欲しかったな。勝手な娘には、おしおきだよ」
俺はメアリーを引き寄せる。
引き寄せて抱き締める。
もちろんそれだけじゃなくてお尻をモミモミ。この肉付きがたまらない。
「あっ、あ、佳成っ」
「エッチなお勉強に励むメアリーさんなら、俺が何するかわかるよね?」
ばつの悪そうな顔がまた可愛いんだ。
そんな顔のメアリーの前髪をかき分け、額にそっとキスをする。