アイドル アンダーグラウンド 23
「いい笑顔」
「あっ、若葉さん」
愛衣舞衣姉妹が今度は優奈を弄り始めたところで、若葉が理桜の隣に座る。
「理桜ちゃんの方がキャリアが長いんだよなぁ、私なんて比べ物にならない」
「いえ…仕事なんて全然。大勢の中の一人でしたから」
「この前のイベント、理桜ちゃんの注目度が一番高かったんだよ」
「ありがとうございます。でもそれは新人で物珍しさの結果だと思うんで、ホントに自分のファンの方ができるよう頑張ります」
「ホント、理桜ちゃんったらマジメね。また来週に撮影会あるからガンバろうね」
「はい。頑張ります」
撮影会という単語に理桜はこの間の事を思い出す。ステージで注目を浴びる…
無数のフラッシュと男たちの熱視線に身体が芯から熱くなった感覚が甦る。もっと見られたい…もっと見せつけたい…
理桜は闘志を燃やすのであった。
用意されていた食材がなくなったところで撮影も終了となる。
「みんなお疲れ様。自然体のいい写真がいっぱい撮れたよ」
「ありがとうございます、葵さんのおかげです」
「お肉すごく美味しかった!」
「堪能しましたわ〜」
「セッティングは麗奈ちゃんがしたんだよ。次に一緒に仕事するときがあったらよろしくね」
「はい、ありがとうございました」5人は葵にお礼を言い片付けを手伝い解散となった。
そして、翌週末、恒例の事務所合同の撮影会。
「は〜緊張してきました」
メイクや着替えをすませた理桜はステージの袖で深呼吸する。
今回は、フリフリミニスカセクシーメイド服での登場になる。生まれて初めてのガーターベルト。パンティはガーターベルトの上に履くなんて事を優奈に教わったり、まだまだなれないことも多い。
5人そろってステージに立つ。
長身の優奈は細く長い脚が強調されてとてもセクシーに見えた。
「みんな可愛いな〜」
ところどころから声が上がりカメラのフラッシュが瞬く。
冷房が効いている室内なのに熱気で少し蒸し暑さも感じられた。
今回は人気アイドルの歌をカバーして、5人が歌って踊るという企画も行われる。