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欲望の対象
官能リレー小説 - その他

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欲望の対象 11

こんな子が例の事件と関係があるようには思えないが…。少年は何やら言いづらそうな様子でモジモジしている。
「どうかした?何かわからないことがあったかな?」
柊真がそう聞くと、少年は意を決したように言った。
「あの…少しだけお時間よろしいですか?」
「ん?少しくらいなら大丈夫だけど」
柊真が答える。どうせ客も来ないので退屈だったところだ。
それに、もしかしたら何か重要な情報が聞けるかもしれない。
柊真はそれとなく事件の話題をしてみた。
「そういえば、最近この辺りで怪しい奴がいるらしいんだけど、何か知らない?」
「いえ、僕は何も知りません。でももしかしたら…」
少年は何かを言いかけてやめた。その様子から柊真は思い切って聞いてみる。
「もしかして君は何か知っているの?良かったら教えて欲しいな」
すると少年は少し考えた後、意外なことを言った。
「はい、実は僕…あの事件に関わってるんです」
(え!)
予想外の答えだった。
しかし、柊真は動揺を悟られないように慎重に尋ねる。
「あの事件に?詳しく教えてくれる?」
少年は少し考えてから語り始めた。
「僕は例の事件の最初の被害者になる筈だったんです」
「えっ?どうしてだ?」
柊真が驚くと、少年は続けて言う。
「前日に僕は怪しげな招待状を受け取っていたんです。それで、なぜかどうしても行かなきゃと思っていたんですが、急に体調が悪くなって…代わりに友達に行かせることにしたんです」
「それで?」
「次の日、僕は朝起きると頭がボーッとしてて、何もやる気が起きませんでした。風邪でも引いたのかなと思ってたんですが、何やら変な気持ちが湧いてきて…」
少年は言い淀む。何かとても嫌な予感がした。

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