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BR42bis
官能リレー小説 - その他

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BR42bis 7

いけるかもしれない。秀仁はそう思った。
詠子と茉莉が一緒に行動しているところからして、出会った相手とは即戦わねば失格になって爆死するというわけではなさそうだ。
その時、茉莉が様子をうかがうように口を開いた。

「あ…神楽君。お願いが…」
「光津さん?」
「……ううん、なんでもない」

言うか言わないか、数秒の逡巡があった。
そして、秀仁は茉莉の言おうとして引っ込めた内容に気付いてしまった。
それは詠子も同じだったらしく、彼女も顔色を変えていた。
睨むように茉莉を見る詠子の眼は、「あなた、そんな事を言おうとするなんて死ぬつもり!?!」と言っていた。
詠子の瞳に視線を合わせた茉莉は、「でも、こうするしか生き残る方法なんてないよ…」と思い。

死亡、戦闘不能な重傷、レイプされた場合、逃亡を図ったりBR参加意思喪失は失格になるが、どう言う基準でこれらへの該当と判定されるのか?
それがわからないから誰も迂闊な言動はできず、三人とも黙り込んでしまう。
死亡はまず明白だからまだいい。
考えようによっては死んでしまえばこれ以上苦しまないで済むとも言える。
拷問や病苦を回避するために自殺する人間がいるくらいだ。
レイプされた場合…これも問題だ。失格判定されたいあまりに素直に相手を受け入れた場合は失格判定を回避できるのかどうかがわからない。
人間相手に犯されるのも嫌だが、雄に犯されるのは尚更だろう。
素直に受け入れた場合も参加意思喪失で首環が爆発する危険もあるし、犯してなどと頼めばこの場合即爆発だろう。
失格しても生き残ると勝利者に一生従う義務が生じる。
これをどう考えるか…
戦闘不能な重傷も失格という事は、獣や雄にやられても失格だろうが…
そのまま言葉なき時間が流れる。
10秒、21秒、33秒…
この沈黙を破ったのは秀仁だった。

「とりあえず、武器を下げて欲しい…僕もこの通り、両手を挙げている」
「詠子……」

茉莉は彼女がどうするのか、不安そうに詠子を見る。
二人の少女の様子を見ていて、秀仁には気づいた事があった。だから、続ける。

「いつまでもこうしてると、動物や雄が来るかもしれない。他の誰かが襲って来るかもしれないよ。とりあえず手を組まないか?」

それに答えたのは茉莉だった。

「私は…死にたくないし…雄になんかレイプされたくないよ。………もちろん人間にもだけど……だ、だから、詠子…」
「仕方ないわね」

ゆっくりと詠子の腕が刃を下ろした。
それを見た秀仁も茉莉も安堵して深く息を吐く。

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