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BR42bis
官能リレー小説 - その他

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BR42bis 6

「猿投さんに光津さん!」
「神楽君ね。動かないで!」
「詠子、落ち着いて…」
「茉莉、油断しちゃ駄目よ。神楽君だって雄には違いないんだから!」

油断なく秀仁を睨み刃を向ける女子、その横で宥めるような女子。
だが少し動揺しているのか、彼に向ける刃先が少し揺れていた。
二人とも、背中にそれぞれ色の違うバックパックを背負っている。
秀仁と会う前に道具を手に入れたようだ。
「猿投さん、落ち着いてよ」
「詠子…」

刀を向けられ、恐れを抱いた声で言い、秀仁は両手を挙げた。
両手を挙げた秀仁を警戒と恐れが混じり合った目で見続ける詠子。
刃を向けている少女のポニーテールが風で揺れる。
その横でなだめようとする少女はストレートのセミロングヘア。
どちらも学校指定のブラウスの上に紺のブレザー、そしてチェック柄のスカート。

どうしていいのかと秀仁は両手を挙げたまま考え込む。
考えろ…彼女達はどういう気持ちなの?

まず、刀を向けている猿投 詠子(さなげ えいこ)は彼の事を警戒している…刃先が震えるのは刃を手にした事への恐れか、この状況で雄を前にした事への恐れか…
その横で不安がっているのは光津 茉莉(ひかりづ まつり)。
クラスでは女子グループのリーダー格だった詠子と、逆に穏やかな性格で彼女とも仲が良かった茉莉。
こんなところに放り込まれ死の恐怖に置かれたらどちらも恐ろしいだろう。
彼女達はクラスメートと戦わなくてはならないこの状況を恐れ、いきなり自然の中に放り出されて獣や荒天や雄やクラスメートに命を奪われるこの状況を恐れているのだろう。
それだけではなく逃げても爆死、雄やクラスの男子に犯される危険もある。
怖がるなというほうが無理だ。

「落ち着いて、話を聞いてほしい…」

秀仁は必死に自らを落ち着かせながら、語り出す。
それでも声はわずかに震えてていた。

詠子は「何よ…」と言わんばかりに彼を見ているが、幸い何もしてこない。

「伊丹が、殺されてた」
「!!」
「そんな…」

秀仁の視界の中の詠子の、手に握られた刀がびくっと震えた。
その横の茉莉は愕然として両手で口を覆った。二人とも一瞬にして顔面蒼白となる。

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