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BR42bis
官能リレー小説 - その他

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BR42bis 5

鉄血の饐えた臭いが漂う。
中心では雄らしい筋肉質な肉体が倒れていた。
吐きそうな体を、歯を食いしばって意志力で押さえつけながら見てみると、仰向けに倒れた肉体の胸筋に刃を刺したらしい傷があった。
それより悲惨なのは、この肉体の首元から上が失われ、頭部が近くに転がっていた事だ。
それも、下半分が砕けたらしく失われていた。

「あ…あ…あ……うそ…うそだよ…ね…」

強烈な戦慄が秀仁を打ちのめし、意識が螺旋を描く。
「伊丹…うそだろ…そんな…惨い……」

意識を失いそうなほどの不快感と悲しみに打ちのめされた秀仁の前で、クラスメートの一人、伊丹 晴雄(いたみ はるお)の剛健な肉体が無残な骸となっていた…
恐ろしいのはそれだけではない。どうしたのか伊丹のズボンが下げられ、彼の自慢の巨根が切り取られていた。

「いったい誰が…どうすれば…まさか、まだ近くに?」

身長190cmと男らしい大柄な伊丹が刺殺されたのか、それとも首輪の爆発で死んだのか。
辺りを見ても誰もいない。
素早く隠れたのかもしれないと思うと、誰に襲われるかわからずもやもやする。
普段は穏健な風を装って、本性をこの島で見せた者すらいそうだ。

醜い本性を晒して人を殺す奴がいる島など一分たりともいたくなかった。
隠残な殺し合いの悪寒に震えながら秀仁はその場を後にした。

秀仁は移動しながら必死に考える。
強く逞しい伊丹を殺せる男がクラスにいただろうか?
紅約に始まり、男子の顔を一人一人を思い浮かべる。
誰の仕業なのか考えるだけでも恐ろしさにどうにかなってしまいそうだ。
刺し殺すだけでなく雄の象徴、それも巨根だと評判の伊丹のそれが切り取られている、牡に強い価値観を持つ奴の仕業だろうが…
考えても結論が出ない、いや出しようがなかった。
伊丹の遺体が頭から離れない。
病院のベッドで息を引き取ろうとしている親族や葬式とは違う、生々しい殺人。そうなった遺体を初めて目にした秀仁には刺激が強すぎた。
だから次の事態に気づいたのは近づいてからだった。

「誰!動くな!」
「神楽…くん?」

森の中で女子が二人、10mほど先にいた。
一人は短めの刀の先を秀仁に向けている。

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