病院に閉じ込められて 4
ちょっとばかり声を荒げてしまう…
愛しのかおりがいなくなってしまったことに、動揺せずにはいられなかったのだ…
「ごめんなさい…そんなこと高橋先生に聞いても分かる訳無いのに…」
「あっいや、こっちこそ大きな声を出してすまなかった…かおりが居なくなった今となっては、優子ちゃんしか頼る相手はいないっていうのに…」
「頼るだなんてそんな…私なんて何も出来ませんよ…」
「いやそんなこと無いって…優子ちゃんにまで消えられたら、僕はもう生きてはいけないよ…」
「そんな弱音を吐く高橋先生…初めて見ました…」
「ごめん…これが本来の僕さ;…女々しい男なんだよね;」
「そうなんですか…?」
「ああ…ずっと好きだったかおりがミキオと付き合うことになったっていうのに、僕はまだ未練たらたらさぁ;…」
「いいんじゃありません?…ずっと好きだったんなら、そう簡単には諦めることなんて出来ないのが普通ですよ…」
「優子ちゃんは優しいんだな…僕も優子ちゃんみたいな女の子を好きになったらよかったよ…」
「やだぁは…それって今後はあり得ないってことかしら?…」
「そ、そんなこと無いさ…優子ちゃんは僕には勿体無いぐらいの存在だよ…」
確かに若いし、可愛い…
若い医者や看護師の男連中からは絶大なる人気があるもんね…
「それなら…私が石川先生のことを忘れさせてあげましょうか…?」
「うぇっ?!…忘れさせるって……どういうことだよ;?」
「そんなに驚いくことも無いんじゃありません?…高橋先生は石川先生のことしか目に入っていないんでしょうけど…私だって“女”ですよぉ…」
「そ、そんなことは分かっているよ;…優子ちゃんを女と思わないほど 、僕はボケてはいないさ;…」
「それじゃあ私の言ってることも分かりますよね…ここにいるのは男と女…ヤルことは1つじゃありません?…」