病院に閉じ込められて 17
ふたりは互いに近づき、お互いの肌を少しずつ触れていった。
「おい、兄妹でそんな…気持ちいい…ようなことしたら良くないとは習わなかったか?」
「もちろん知ってるよ。劣性遺伝子が発現して生存に不利になる可能性が高くなるんでしょう」
こいつ、僕たちの知識をベースにしているだけに医学的なことは子供らしからぬことを言うなあ。
すすむは声を落とした。この後のことは優子ちゃんに聞こえない方がいいと理解しているようだ。
「お母さんとヤル方がもっとやばいでしょ。僕とゆきは二親等、僕とお母さんは一親等」
そういう知識だけは一致ょ前に持っているのかよ;…
「でもだからといって兄妹だって、充分によくは無いんだぞ…」
僕までもが声を落とす…
「そんなことは分かっていますけど、此処にいる女はお母さんとゆきの2人だけ…それも許して貰えないなら、僕は一生童貞のままになっちゃうじゃないですか…」
まあ確かにそうだ…
この先一生女を抱く経験を持てないだなんて、男としては絶望的になるのも分からなくも無い…
「でもさ…そういうことをするのはまだちょっと早いんじゃないか…?」
精通を迎えたばかりと言ったら、現実社会ではまだきっと中学生…
そんな時の僕なんてバリバリの童貞だったかりね;…
すすむはすかさず言い返した。
「お父さんだって、僕くらいの時は、セックスしたくてしょうがなかったんでしょう」
「そりゃあ、まあな」
「じゃあ、何で『早い』の?僕も、相手も、気持ちいいことしたいのに、何で問題なの?」
「まあそんなに熱くなるなよ;…」
ここでモラルがどうのこうの言ったところで、通じる状態じゃないよな;…
「別に私はお兄ちゃんとヤったって構わないけど…」
おいおい;…ゆきまですすむを焚き付けるなよ;…
「ほらぁ、ゆきだってこう言ってるし…」
「でも…私の初めては…お兄ちゃんとじゃなくてお父さんとがいいなぁ…」