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男の夢をかなえるアプリ
官能リレー小説 - その他

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男の夢をかなえるアプリ 9

僕がシャッターを切った時、美貴先生がホームルームを終わるところだった。

「一ノ瀬君、何撮ってるのかな?」
「すみませんでした」

軽く注意された。スマホの形状や機械は普通のスマホそのものだから席から教卓にカメラを向けると不自然な体勢になってしまう。

「せんせー綺麗だからみんな写真欲しいですよ?」
誰か男子がまぜっ返す。
そいつが即座に女子たちに睨まれて、みんなの注意が僕からそれてくれて助かった。

「授業始めますよ。人を勝手に撮影しないように。そういうことが続くと学校としてもみんなのスマホを預かる羽目になりますからね。」
「はい。」
僕が答えると授業が始まった。
前回から始まっていた、教科書所収のある小説を題材にした授業。

その中に出てくる女性が自分と似てると思ったのかな?
先生が自分の馴れ初めを語り出してくれた。

「この教科書を見たときに私驚いたの。幸子さんの恋愛はまるで私の恋のようだって。知ってる子もいると思うけれど、陽一さんと出会ったのは教育実習の時だったの。」
陽一さんというのは体育教師の旦那さんの事だ。
「こんなに逞しい男の人がいるんだなって、初めて会った時から胸がときめいたわ。」

女子たちは思わぬ恋バナに目を輝かせている。
男子も美貴先生の恋バナに惹かれているようだ。

「陽一さんの事が気になってたけれど私とは科目が違うから、あまり接点は無かったの。
でもあの日の晩、私は同じ大学にいた当時の彼氏と大げんかしてね。」
「せんせーみたいな人でも彼氏と喧嘩するんだ?」
美貴先生は男子の声にこくりと頷くと、しんみりした口調になった。

「イケメンで優しい人だったんだけど・・・お互いちょっと頑固な所があってね・・・本当に今考えればどうでもいい事で喧嘩したのよ」

美貴先生の言葉にクラスのみんなが興味津々で聞いている。
僕は美貴先生の口調が気になっていた。
何かちょっと普段と違うよなと・・・

「その時慰めてくれたのが陽一さん・・・みんなからしたら意外だろうけど紳士的で優しい人なのよ」
「それで結婚しちゃったんですね!」
「まぁ、そう言う事ね」

教科書の話をよく見ると、この主人公の幸子は親同士が決めた結婚に苦悩しながらも、幸子に想いを寄せる男に言い寄られて駆け落ちすると言う話。
女性の開放とか純愛と素直に見ればそうなんだけど、逆の見方をすればこの話、不倫とか略奪愛なんだよなぁ・・・
これが著名作家の作で名作だからいいように評価されてるだけな気もするんだけど、僕がひねくれて見てるだけかなぁ・・・

そんな話と、美貴先生の様子を観察してるうちに授業が終わる。
僕は教室を出ていつもの定位置・・・
教室横の屋上に向かう階段の踊り場辺りで座る。

何と言うか、ここはぼっちの天国みたいな隠れ家で、普段は僕しかこない。
友達の多いリア充連中は教室の中で今頃先生の惚気話で盛り上がってるだろうけど、正直僕は感じた違和感を整理したかったから教室を真っ先に出た訳だ。

だけど今日は、そんなぼっちゾーンに来客が来た。
聡美だった。

「どうしたんだ?、珍しいな」
「うん・・・何だか先生の話に違和感あったから・・・」

そっか、聡美もそう思ったのか・・・
割と恋愛に潔癖そうだしね。

「うん、そうだよね・・・ゴリ仲のいい話なんて誰にも聞いた事無いし」

ゴリ仲ってのが旦那の方のあだ名。
まぁ、そう呼ばれるぐらいには好かれてない訳だ。

「仲村先生って・・・女子から圧倒的不人気なのよね・・・顔つきと言うか、目つきがどうも・・・」
「エロい目で見るんだろ?・・・昔から部活の生徒に手を出したとか噂はあるよ運動部の間では」

その手の噂は、運動部の中で語られる、あくまでも噂・・・
だけど嘘でもなさそうな雰囲気は確かにあった。

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