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ゼロから始める夫婦生活
官能リレー小説 - その他

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ゼロから始める夫婦生活 10

一緒に生活して知っていたが、割と唯は飲めるクチである。
俺は酒豪でも無いが酒は好きだし、清酒や焼酎、洋酒も飲むが、唯もお付き合いできるぐらいは飲める。
こう言うのは、一緒に生活してると有り難くもある。

「じゃあ、乾杯だね」
「はい、お疲れさまです」

中居が持ってきたビールを唯が注いでくれ、俺達はグラスを合わせる。
濃厚なプレミアムビールは走り疲れた後にグッと効いてきた。

「ふふ、こんな所だとビールも美味しいです」
「ああ、美しく愛しい妻と飲むビールだしな」

同じく美味しそうに飲む唯に茶化したように言うと、少し頬を赤らめる。
勿論、酔いの赤みではない。

「私も・・・直哉さんが夫で良かった・・・」

少し遠い目。
公平の事を思い出してるのだろう。
俺と違って、唯にとっては絶対的な主だったんだと思う。

「例え、公平の身代わりだとしても・・・俺も唯で良かったよ」

これは正直な感想。
前に彼氏がいたとかバツイチとか、そんなのは人を好きになる時には関係ないし、唯の婚約者が公平だった事も今は関係ない。

一緒に暮らしてみて、彼女なら人生を共にできると思ったのが一番大きかった。

「この部屋って、温泉がついてるんですね」
「凄いよね、結構広いみたいだし」

最高級の部屋だけあって、今食事しているリビングスペースとベッドルームが別れていて、小さなユニットバスではなく温泉の出る浴場スペースまでがついている。
飯野に予約して貰った時に、一泊の値段にびっくりしたが、彼女に『あなたの給料考えなさい』と呆れ気味に言われてしまった。
確かに、今の俺の給料と立場ならこれぐらい当然レベルだった。

「お風呂・・・一緒に入ってくださいね」

唯が笑顔で念を押すように言ってきた。
笑顔だけど、口調は真剣だった。
お互い直接口に出して話してはいないが、ここで初めて繋がろうと言う意思はあった。
いや、唯は最初から俺が求めれば抱かれる気でいたが、俺が時間をかけてきただけだった。
ここでの念押しは、俺が覚悟を決めただろうと言う意思確認なんだろう。

「勿論そのつもり・・・明日の晩は露天風呂らしいから、明日も一緒に入ろう」
「はいっ!」

俺の言葉に唯は微笑む。
いよいよなんだな・・・
俺は公平に全ての面で勝ち目は無い。
だが、これからは唯の夫として最上でならなくてはならないと思っている。
なれるかどうかではなく、なろうとしなくちゃいけない訳だ。


そして、俺達は食事を存分に楽しむ。
楽しんで食事を終えると、俺は立ち上がって唯の手を取った。

「いこうか」
「はい・・・あなた・・・」

唯が『直哉さん』ではなく『あなた』と呼んだ。
彼女が俺を夫として認めてくれた気がして胸が高鳴る。
手を繋いだまま、脱衣場へ・・・
唯は背中を向けたが気にする事無く服を脱いでいく。
紫のランジェリーは上品なデザインながら大人びた雰囲気も醸し出すもので、多分俺に見せる事をかなり意識したチョイスのような気がした。
着痩せするタイプだったのか、背中越しに見える唯の下着姿はかなりグラマラスで、お尻のボリュームも女らしく扇情的。
ショーツがパツンパツンで、それだけで男の欲情を誘うような肢体だった。

唯はそんな見事な身体を隠す事無く、ブラジャーを外し、ショーツを取る。
そして脱ぎ終わった俺に向き直る。

やはりと言うか、胸は思った以上のボリュームだった。
ぽちゃっとしたお椀型のいわゆる爆乳やらスイカップなんて言われる大きさ。
乳輪や乳首も大きめなのは、この見事な乳塊が天然である証だろう。
肌も艶やかでプリプリ、水を玉のように弾きそうなぐらい。
下腹部のヘアも整えられていて、よく手入れしているのが一目瞭然だった。

「綺麗な奥様、さあさお風呂に入りましょうか」
「ふふ、あなたも立派な主人ですよ」

少しの照れを軽口で返すと、彼女も同じく照れを軽口で返してくる。
こう言うやり取りができる所も、彼女を妻にして良かったと思える所だ。
綺麗でも性格が悪かったりキツかったりだと、多分そうは思わなかったと思う。

手を繋いで風呂場へ・・・
雰囲気のある檜風呂で、大きな窓からはライトアップされた内庭園が見える。
唯も感嘆の声を上げたし、俺も暫し見入ってしまったぐらいだ。

互いに凄いねと言い合って、並んで座って身体を洗う。
流石に洗いっことか言い出すのは恥ずかしいから、互いに無言で身体を洗った。

そして、洗い終わり湯船へ。
広い湯船は俺でも脚を伸ばせるぐらい。
隣に唯が入ってくる。

「きもちいい・・・」

唯がうっとりと言う。
俺も心地よさに調子に乗って唯の肩を抱くと、唯は俺に身体を預けてきた。

「私が、公平さんに会ったのは高校生の頃でした・・・」

身体を預けてきた唯がそう語り出す。
唯の父親の会社を立て直したのが5年ぐらい前だから、だいたいそれぐらいの頃なんだろう。

「父は公平さんに会社と従業員の身の保証をお願いしました・・・公平さんは会社を合併し、従業員の大半を雇ってくれ、雇えぬ者の再就職まで斡旋してくれました・・・」

それは綾瀬達からも聞いたが、効率主義の公平からすればかなりの温情だったようだ。
そのせいか、その元従業員達からの俺の支持は結構高い。

「そして、父は私と公平さんの結婚を望みました」

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