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ゼロから始める夫婦生活
官能リレー小説 - その他

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ゼロから始める夫婦生活 3

そう言う3人・・・
そして、俺は3人から色々と説明を受けた。


公平は死を悟ってから、色々と対策したらしい。
唯とこの3人と養子縁組をして、株式や資産を分割して継承させ、俺への社長継承手続きも進めていたらしい。
なのでもう俺がサインするだけで社長就任は確定。
しかもこの4人だけが株主なので、俺が社長になる障害は無いらしい。

元々の母体の会社があるものの、殆どの社員がヘッドハンティングや中途採用なので外部から人が入ることに慣れているし、綾瀬達が先に根回しもしてるようで、そこも問題は無いらしい。

つまり、俺の社長就任は書類にサインするだけで、ものの数分で終わってしまった訳だ。

「これで浅野くんが社長よ、これからよろしくね」
「ああ、でも君たちに多分助けて貰わないといけないと思う」

勧められるままに社長の椅子に座って俺は綾瀬達に言う。

「大丈夫よ、自信持ってやってくれればきっとできるわ」
「そうだよ、公平くんもあいつは最終的になんとかできるやつだって言ってたんだから」

「でも、よく考えてくれ。俺達がつながりが深いと示すことで、より壁ができてしまう。同じ学校の仲良しだけが重要なポストを占めている」
「言いたいことは分かるわ」
「むしろ、公平くんが健在の頃には目が出なかった人にも手を差し伸べるべきね。新しいリーダーだからこそ、頑張れば等しくチャンスはあるって」

女が多い会社はまとめ上げるのが難しい。多くが視野が狭く、自分たちさえ良ければという傾向が強いので、大きな目標のために異なる部署や派閥同士で協力し合うように持っていくための努力が求められる。
これまでの力関係が実力に基づくもので作られていればいいが、単に年齢や政治力にのみに頼ったものでは衰退につながる要因となってしまう。
既に公平の死という一大事が起きてるので、社内はいち早く俺に靡こうとする勢力と公平の理想を頑なに守ろうとする一派と一歩引いて様子見にとどまる集団に分かれているはずだ。
まぁ、俺は公平じゃないから俺なりにやっていくしかないか・・・
味方もいる訳だし。

そして、その日は社員への挨拶、業務の説明で時間が潰れてしまった。
社員の反応は様子見って感じで、表向きには非友好的なのはいなかったが、かといって友好的な感じも少ないようには見えた。
まだ初日だし、こんなもんだろう。

夕方の定時になると、殆どの者が席を立ち帰り支度を始める。
歓迎会とかどうするって聞かれたけど、とりあえず後日と言っておいたけど、残業する者がいないのにちょっとびっくりする。

「うちは時間内に業務を終わらせない者は査定マイナスなのよ」
「無駄の嫌いなアイツらしいなぁ・・・」

そう言う綾瀬達も帰る準備をしていた。
そして赤江や飯野が戸締まりのチェックをして声をかけてきた。

「さっ、今日は終わりにしましょ・・・お家に帰ってあげて」
「ああ、あそこでいいんだよな?」
「ええ、荷物はもう運んであるわ」

実は社長用の新居が用意されてるらしい。

公平が結婚したら使う予定だった新築の家。
そこに唯と住めって事らしい。

社員が全て帰ってから戸締まりは綾瀬と赤江がすると、飯野がそこまで送ってくれる事になった。

「わざわざごめんな」
「いいのよ、秘書だし・・・それに私達も隣に住んでるから」

立地は会社から歩いて数分。
車も使わない。
無駄の嫌いな公平らしい選択だ。

自宅の見た目は会社社長らしく、一応は大きな造りだがきっとシンプルなんだと思う。
その隣の敷地には3軒連棟のしゃれたテラスハウスがあって、そこが綾瀬達3人の住居らしい。

「じゃあ、また明日お迎えに上がりますわ社長」
「そんな口調よしてくれよ」
「あら、これでも秘書なのですよ」

冗談めいた口調は流石に学生からの付き合い。
しかし、年数が経って更に全員綺麗になってるし・・・
姓がそのままって事は結婚もまだみたいだが、勿体無い話だ。


そして俺は家の玄関前へ・・・
深呼吸を大きくする。
自分でも分かる、緊張してた。

そして扉を開いた。

「おかえりなさい、直哉さん」

玄関では唯が待っていて頭を下げてくる。
多分、連絡があって待ってたんだろうと思う。
エプロン姿の唯は、本当に大事にされていたお嬢様と言った感じで、清楚な美少女だった。

「ただいま・・・」

俺は緊張を抑えるようにゆっくり言って靴を脱ぐと、唯がさっと屈んで靴箱に入れる。
本当によくできた感じであっけにとられてしまった。

「直哉さん、クローゼットはこちらです」
「あ、うん・・・」

招かれるままウオークインクローゼットへ。
そこで背広を脱ぐと、彼女が受け取りハンガーにかけ、入り口近くに吊るす。

「明日はこちらのを使ってくださいね」

結構な種類のスーツが吊るされているが、俺はこんな多く持ってなかった。
買い揃えたんだろうか。
ああ、そうか・・・
社長だからちゃんと身だしなみは気を使えって事なんだろうな。
公平も普段はシンプルだけど、必要な金は使うやつだった。

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