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ゼロから始める夫婦生活
官能リレー小説 - その他

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ゼロから始める夫婦生活 2

「桜川さん…だっけ」
「唯、でいいですよ」
「えっと、唯さん……俺、アイツよりもずっと頼りない男です。これからどうなるかなんてわかりません…でも、俺、公平に恩返ししたい…」

「はい。公平さんも、誰よりも頑張る奴だって、直哉さんのこと言ってました。私は、何があっても、一生ついていく所存です」
「唯さん…」

こうして、俺と唯さんの2人の生活が始まった。
28歳の俺に対し、唯さんは22歳、大学を出たばかり。それでいてこの落ち着いた雰囲気、仕事もすごくできそうな感じがした。

そして公平の残した会社・・・
俺が長期出張やその後のリストラで無職で連絡を取れないでいた数年間で自社ビルを持つまでになっていた。
その会社に初めて行った時、出迎えてくれた人を見て俺はびっくりした。

「綾瀬っ?!!」
「久しぶりね、浅野くん」

出迎えた女性は、俺と公平とは同級生だった綾瀬優香。
高校時代は公平が委員長、綾瀬が副委員長なんてやってた真面目で優秀な奴だった。
俺や公平とは仲が良くて、公平とくっつくのかなぁと思っていたが、そうはならず互いに就職して、こうやって会うのは数年ぶりになる。

「藤枝くんに誘われて、ここに入社して今は副社長なの」
「そうだったんだ・・・じゃあ、綾瀬が社長になれば良かったんじゃないのか?」

話しながらエントランスに入りそう言うと、綾瀬は首を横に振る。

「私は人の補佐は得意だけど上に立つのは苦手なの・・・だから唯さんにあなたを推薦したのよ」

そう言う事だったのか・・・
確かによく知らない人間に会社を任せるとかありえないと思っていた。

「ところでさ、会社の役員ってどんな人達?年上や学歴のある人達だったら、公平と違って俺なんかの言うこと聞くかどうか…」
「新しい組織だし、風通しはいい方よ。私が副社長なぐらいだから、女性の役員も多いわ…」
「つまり?」
「私より年上の部長とかもいるし」
「どうやったら、そんな人達は頑張ってくれる?」
「それなりに優秀だから、ほとんど指示はいらないわ。年上でも女子でいたい人だから、飲み会に付き合ってあげて。管理職を管理するの」
「唯の夫としても新米なのに、社長業までとは、いざとなると緊張するな」
と言ってから少し考えて彼女に聞く。

「いきなり唯が俺との結婚を求めてきたんだけど、どう言う事だったの?」

婚約者が死んですぐ乗り換えとかちょっとよくわからない状況だ。
普通は何か裏があるって思って当然だろう。

「あなたと公平くんがこの会社立ち上げる時に、ある潰れかけの会社のコンサルやったでしょ?」
「ああ、そうだったね・・・あれが上手く行ったから公平がいずれ脱サラして本格的にやる気になったとか言ってた気もする」
「その会社の社長令嬢が唯さんよ」
「・・・マジで?!」

確かその会社潰れかけで社長も首吊り寸前だったよなぁ・・・
そこの商品が別のもので転用できるって気づいた俺が公平に持ちかけて始めた仕事だったんだけど、まさか唯がそこのお嬢さんとは思わなかった。

「それで少し納得できたよ・・・いきなり過ぎて何が何だか分からなかったから・・・」
「あの後、そこの社長さんが引退して公平くんに会社を譲り渡した訳・・・それがこの会社の母体よ」

綾瀬の説明を聞きながら俺はちょっとだけ納得した。
それなら唯が知っていて当然だろう。
もしかしたら公平と婚約した経緯も会社の関係があるのかもしれない・・・

そんな会話をしながら、俺は社長室に案内される。
公平らしくシンプルな作りで自社ビルから見える眺望もいい。
そこでまた俺は2人の女と久しぶりの対面をする。

「久しぶり、本部長の赤江奈美よ」
「直哉くん、変わってないよねぇ・・・秘書室長の飯野紗英よ」

2人は学生時代からの綾瀬の友人で、評判の美少女だった。
まさか彼女達も公平の所で働いてるとは知らなかった・・・

「私達があなたの味方だから安心して」
「本当に俺でいいのかよ・・・」

懐かしい面々に囲まれて戸惑う俺。
本当に俺でいいのか自問自答してしまう。

「公平くんがいつも言ってたけど、土壇場の浅野くんの底力は凄いって・・・」
「私達も見てきてるけど・・・以外にあなた、リーダーの素養もあるのよ」
「そうそう、公平くんに頼まれたのもあるけど、私達3人も意見は一緒だから」

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