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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 10

 そして一行は体育館に入った。
 「待ってて」
 雪乃と真美は一度更衣室へと消えた。
 望美、香織、春樹は緊張しながら並んでいるパイプ椅子に座った。
 宣伝は、在校生も対象なので、来ている観客は在校生の方が多く、自分たちがアウエーに感じていた。
 「緊張してるの?」
 遥が声を掛ける。
「ええ。こんなに観客が多いなんて」
望美が言えば、香織が
「私たちのような受験生よりも在校の生徒の方たちがずっと多いですね」
「きっと雪乃先輩が目当てなのよ!何たって学園のアイドルだから」
紗綾香が言った。
「やっぱり…雪乃先輩の…学校での最後の演技だからね!」
遥がそう言った。
「そうなんですね」
望美はこの機に、憧れの雪乃の演技をしっかり見ておこうと思った。

「ところで、泉さんは?」
泉がいないのに気づき、香織は遥に尋ねた。
「サッカー部が公開練習してるから、そっちへ行ったわ。泉のカレシはサッカー部のキャプテンだから」

「おーい!遥」
遥を呼ぶ声がしたかと思うと、大介が傍に寄って来た。

「俺も雪乃先輩見に来たぜ」
 大介はそう言って遥の隣に座った。
 遥は無言で微笑んだ。
 “初めて会ったときは、大介と付き合うなんて全然思ってなかった。けっこう短い間にいろんなことがあったな”
 遥はそんな風に回想した。
「遥先輩、どうしたんですか?」
 周りから見るとぼんやりしてひとりで笑っているように見えた遥に、紗綾香が声を掛けた。
「あ、何でもないよ」

「もしかして遥先輩の彼氏、とかですか?」
「うん」

 香織は、遥の彼氏がそれほどイケメンという方ではなく、フツメンなことをちょっと意外に思った。

 遥は、香織のその表情を読んで小声でこう言った。
 「誰と、どんな風に、つきあい始めるかなんて、分からないものよ」


 照明が暗くなり、ナレーションが新体操と新体操部のことを短く説明した後、最初に5人の集団演技から始まると告げた。

そして、白いレオタード姿の5人の少女が会場に姿を見せた。その中に雪乃と真美の姿はなかった。

「森崎さんはもちろんですけど、真美さんも個人演技で出るんですね!」
望美が言えば、
「そりゃあ何たって…新体操部の次期エース候補だからね」
香織がそう言った。
「雪乃先輩は一番最後に演技を披露するらしいわ」
遥が言った。

「遥はレオタード着たことあるかい?」
大介がいきなりそんなことを聞いてきた。
「何よ!?大介ったら…」
「いやーっ!やっぱり女の子のレオタード姿っていいよな」
大介のその発言に呆れながらも苦笑する遥だった。

やがて、5人による団体演技が始まった。

 2分あまりのその演技も充分に見応えあるものだった。
 5人の息がぴたりと合い、持っているこん棒もまるで彼女らの体の一部であるかのように揃って動いていた。
 そして、終わったとき観客はみな惜しみない拍手を送った。
 「さすがけっこうレベル高いですね」
 「県内でも有数だよ」

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