(続)格好が・・・ 83
2人とも全裸だった。卓也と瑞穂は下着を身に付け、制服を着た。そして、顔を洗い、朝食を済ませ、学校へ向かった。
登校し、教室に入った瑞穂に瑠璃や真輝が声を掛けた。
「おはよう。瑞穂」
「おはよう。瑠璃、真輝」
瑞穂も笑顔で2人に挨拶を返した。
「今日、放課後、卓也と一緒にテニス部に出るから、よろしくね」
「そう。楽しみにしているわ」
瑠璃には、瑞穂が生き生きと輝いている様子が感じられた。
昼休み、広夢、真美、舞、美術部部長の河合静香、顧問の美崎涼子、それに彩奈が美術準備室に集まった。広夢が描いた真美のヌード画を舞が見せて欲しいという話を聞いて、涼子や静香はこの昼休みに美術準備室に集まって見せることにしたのである。
彩奈も、良かったら一緒に見ないかと静香に誘われ、やって来たのである。静香は、彩奈がヌード画を描くことを望んでいるのを知り、彩奈にとって参考になればと思って誘ったのである。
絵には布が掛けられていた。広夢が布をどけて、絵が露わになった。それこそ広夢が描いた真美のヌード画だった。
「キャあッ!…」
舞は一瞬胸がドキッとなった。それには全裸の美少女が鮮やかに描かれていた。
「こ、これが真美なの?」
「はい!広夢くんが全身全霊を注いで、生まれたままの私を描いたんです」
「す、素晴らしいじゃない!」
舞は大いに感動した。
「やっぱりモデルの人も描いた人も最高ですね」
彩奈がじっくりと絵を見ながら言うと、
「ちょっと恥ずかしいな」
真美は顔を赤らめながら呟く。
「私も真美や雪乃先輩みたいに、麻生くんに描いてもらいたいんだけど…」
舞は広夢に顔を向けて言った。
舞は初め、雪乃の様にレオタードか水着を着た姿で描いてもらうことを考えていたが、真美のヌードで描かれているのを見て、自分もヌードで描いてもらいたくなったと話した。
「ヌードなんてそんな簡担に、立て続けに描けるものじゃないですよ」
広夢は困惑した様な表情で言った。
「吹田さん」
「はい」
涼子に呼ばれ、彩奈は返事をした。
「貴女、良かったら麻岡さんのことを描いてみたらどう?」
「えっ!?」
「貴女、男子のヌードを描きたいんでしょう」
「え、ええ…」
「男子を描く前に、まず同性の女子のヌードを描くことで経験を積んだらいいんじゃないかしら」