PiPi's World 投稿小説

(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 75
 77
の最後へ

(続)格好が・・・ 77

 麗奈はまっすぐ前を見た。
 「私、卓也君のことが、ずっと好きだったんです!中学のころから。同じ高校に来て、もっと近づけるんだ、って思っていたら、この、瑞穂さんが、瑞穂さんが、横から出てきて…」
 そこまで言って麗奈はまた目を伏せた。
麗奈はもはや、退学も刑務所行きも免れないと覚悟していた。

『今は遠く離れているけど、俺には心に強く思う子がいるんだ』
麗奈は卓也からそう聞かされたことがあったが、それでも諦められず、何としても卓也を射止めようと、同じ高校に入学した。だが、入学初日に突然現れた瑞穂がすぐさま卓也とラブラブになったことに、麗奈は、激しいショックを受けた。

(バシッ)
瑠璃が麗奈の頬に平手打ちをくらわせた。
「貴女が瑞穂にしようとした事は女にとって凄く残酷な事なのよ。貴女も女ならそれがわかるでしょう」
瑠璃は激しい口調で麗奈に言い、更に、
「麗奈。瑞穂と卓也くんがどれほど互いに強く思い合っているか、貴女にはわからないの?」
瑠璃は瑞穂の親友として、瑞穂と卓也の強い絆を理解し、祝福していたのである。

「警察を呼んだほうがいいかと思います」
「いや。それはちょっと…」
副校長の中山聖子の言うことに、校長の江川安男は渋い表情をした。
「校長。これは犯罪事件ですよ。見過ごすわけにはいきません」
「そうです。うちの生徒が校内で、外部からの不法侵入者から性的暴行を受けているんですよ」
副校長に続いて夏美が声高に言った。
生徒にも職員にも不人気の校長に比べ、副校長は校内で大いに人望があった。
「それでは大崎先生、警察へ御連絡願います」
「はい」
副校長の指示で、直美が警察に電話をした。警察が来るのを待つことになった。

「ちょっと洗面所へ行って来ます」
警察が来るまでの間、夏美は洗面所へ行こうと、ドアを開けた。すると、目の前に遥と泉の姿があった。
「貴女たち、まだいたの。もう遅いから、帰らなきゃ駄目じゃない」
すると遥が、
「夏美先生。私達、生徒会として、とても気になって…」
遥と泉は会議室のドアの前で立ち聞きしていたのである。

 遥と泉は夏美とすれ違うように部屋に入った。遥は部屋にいる関係者の顔を見渡した。 
 直美が、改めてこの話の顛末を二人に説明していった。

 そのうちに、男性警官と女性警官が各一人走り込んできた。
 女性警官は直ちに瑞穂の隣に寄り添った。
「珠木瑞穂さんですね」
「はい」
「貴女には事件について詳しくお話していただくことになるでしょうけど、よろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
未遂とはいえ、強姦されそうになる辱めを受けた瑞穂を気遣うように、女刑事の早川美幸は尋ねたが、瑞穂は毅然とした態度で返事をした。

男性刑事の近藤翔平は直美の彼氏にして婚約者だった。
「では、事件についてお伺いします」
翔平がそう言うと、直美は事件の経緯について説明を始めた。
直美と翔平の関係は一部の同僚教師、一部の生徒に知れていたが、2人は、その場ではそんな様子はおくびにも出さなかった。

直美の説明を一通り聞くと、翔平は瑞穂や卓也たち関係者に対し尋問を始めた。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す