PiPi's World 投稿小説

(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 69
 71
の最後へ

(続)格好が・・・ 71

 「写真で見せてもらったけど、リアルはやっぱり素敵ね!」
 その声に他の男女部員たちも近づいてきて二人のへそピアスを見て口々に感嘆や称賛の声を上げた。
 もうその場に来ていた麗奈も表面的にはそうした。

 「さあ、準備運動!」
 瑠璃の一声で、男女部員は輪になって体操のできる距離を取った。そうして、軽く体操をしたあと、男女各1コートを使って練習を始める。
 「あの、ちょっと、お手洗い行ってきます」
 練習が始まってすぐくらいに、麗奈は瑠璃にそう告げて、一度練習を離れた。

正面から見て校舎の左横には、正面玄関より小ぶりな第二玄関があり、右横の前には体育館、その横にテニスコートがある。
麗奈はスマホを手に取り、『今着いた』と、健次からのメールを確認した。そして、校舎裏を走り抜け、第二玄関前の門へ向かった。そこは正面の校門に対して裏門と呼ばれていた。
麗奈が着くと、裏門の前に健次が立っていた。

「言われた通りの格好してきたぜ」
健次は真っ白なYシャツに黒い学生ズボンの格好だったが、これは校内で人目についてもなるべく怪しまれないようにという、麗奈の指示によるものだった。
「遠目からならどうにかごまかせそうね」
白光学園の男子の制服は真っ白なYシャツに黒い学生ズボン、冬服はその上にブレザーを着るのが基本だった。

麗奈は、辺りに他に誰もいないのを確認し、健次と共に校舎裏を通り抜け、途中で誰にも見咎められることなくクラブハウスに入った。そして、事を起こすまでそこの男子トイレの個室に隠れているよう、健次に指示した。

 そうして麗奈は何食わぬ顔で練習に戻った。

 強い日差しの中、何回かの休憩を挟んで皆汗だくになりながら練習は続く。そしてようやく日が傾いた頃、練習は終わる。
 「「おつかれさまでした!!」」
 再び男女部員が円になって挨拶し、皆それぞれクラブハウスへシャワーを浴びに行く。

卓也と瑞穂は、テニス部の練習に出た時はいつも、解散となって他の部員達がいなくなった後、2人っきりになったテニスコートで15〜20分ぐらい軽い打ち合いをする様にしていた。麗奈はそれが付け入る隙だと考えていた。
この日も卓也と瑞穂は居残って20分ほど打ち合いをした。周りには他に誰もいなかった。

「そろそろ着替えて帰ろうか」
「そうね」
卓也と瑞穂が練習場を離れようとすると、テニスウェア姿の麗奈が現れ、2人の傍に近付いた。
「何だ須藤。まだ着替えてないのか」
卓也は麗奈に声を掛けた。
「珠木さん」
瑞穂の顔を見つめる麗奈。
「珠木さんと2人だけで話をしたいんですけど、少しだけ付き合ってもらえませんか?」
「えっ!?」
突然の事に驚く瑞穂。麗奈は卓也の方を向く。
「卓也くん。悪いけど、ここを離れて、ちょっとの間、私と珠木さんを2人っきりにしてもらえるかしら。すぐ済むから…」
思い詰めた様な表情をして言う麗奈。戸惑う卓也。

「わかった。少しだけなら付き合うわ」
瑞穂は麗奈の頼みを承知した。
「瑞穂…」
卓也は心配そうに瑞穂を見つめる。
「大丈夫よ。卓也は先に行って待ってて」
「わかった」
卓也は1人でクラブハウスの方へ駆けて行った。

瑞穂と麗奈はその場に2人だけとなり、周囲には他に誰の姿もなかった。すぐ傍には体育館と一体になった体育倉庫がある。
「ちょっと付いて来てください」
ゆっくりと歩く麗奈に瑞穂は付いて行く。
「麗奈ちゃん。話って、もしかして卓也のこと?」
麗奈の背後から瑞穂は尋ねた。
「ええ。もちろんですよ」
麗奈は瑞穂に背を向けながら話す。
「卓也くんとはもう男女の仲になったんですか?」
「えっ?それは…」
突然の質問に口籠る瑞穂。そこへ麗奈は素早く身体を反転させ、瑞穂の顔にスプレーを吹きつけた。瑞穂はたちまち気を失い、麗奈の身体にもたれかかった。そこは体育倉庫のドアの前だった。
麗奈が使ったのは速効性の高い麻酔スプレーだった。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す