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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 70

彩奈はそのまま教室で卓也と話を続けた。
「森崎さんが、卓也くんを描いた絵をお店に飾りたいって、電話があったんだけど」
「ああ!雪乃さん、この前、そんなこと話してたな」
卓也は、4月30日の喫茶“トキメキ”での経緯を話した。
「どうかしら?」
「彩奈ちゃんがよければ、それでかまわないよ」

彩奈はそれから、5月5日に、姉の優奈たちと一緒にホワイトスパークの野外コンサートを見に行った事を話した。
「卓也くんの後輩の子たち、みんな素敵だったわ」
「そうか」
「ホワイトスパークの子って、スポーツ選手や芸能人を目指す子が多いそうだけど、卓也くんは何か目指すものあるの?」
彩奈は、その事を姉が気にしていたと卓也に話した。
「そうだな。高校を卒業したら、大学に通いながら、本格的に柔道や空手をやりたいと思ってるんだ」
卓也は幼稚園から小学2年の間に柔道を習い、また、空手の基礎も学んでいた。また、瑞穂は秋山光平とその父親の影響で、小学生の時から柔道と空手を習っていて、柔道二段、空手初段だった。
卓也と瑞穂は、いずれ2人で一緒に本格的に柔道と空手をやろうと思っていた。

「卓也」
卓也を呼ぶ声がした。すると、教室の出入口の所に瑞穂が立っていた。卓也は瑞穂の目の前に近寄った。
「ねえ卓也。今日の放課後、テニス部に出ようと思うんだけど、いいかな?」
「いいぜ。瑞穂に任せることにしてるから」
「じゃあ、瑠璃に伝えとくね」
卓也と瑞穂は、いつも一緒に同じ部に出ることにしていたが、その日にどの部に出るかは必ず瑞穂が決めることになっていた。

「あのう、珠木さん」
瑞穂の背後から突然声を掛けたのは麗奈だった。
「卓也くん、珠木さん。お2人共、今日、本当にテニス部に出て来られるんですね」
「え、ええ…」
麗奈はこの時、1年A組の教室の前の廊下の窓際に、窓の外を眺める振りして立っていたのだった。
「それじゃあ、放課後、楽しみにしてますから、必ず来てくださいね」
麗奈はそう言うと、その場から去って行った。

 麗奈は、念のため女子トイレの個室に入って、スマホを操作し始めた。
 「健次、今日来られる?」
 返事が来るまでの数分間が麗奈にはやたら長く感じた。
 そして、OKを示すスタンプのあと、具体的にどうすればいいかの質問が来た。
 麗奈は、お礼とともに、待機していてほしい場所を指示した。
「(これであの目ざわりな女を卓也の前に出れなくしてやるわ)」
麗奈はトイレを出ると、真っすぐ自分の教室に戻った。

「この学校、空手部がなくて残念だな」
「うん。あと、新体操じゃない体操部もあればいいのに…」
「跳馬とか平均台といったやつかい?」
「うん。私、器械体操、自信あるんだ」
楽しそうに話をする卓也と瑞穂。
「私、教室に戻るわね。放課後にテニス部で…」
昼休みの終わりが近付き、瑞穂は自分の教室へ戻った。

体育館の裏手にはクラブハウスと呼ばれる鉄筋二階建ての建物がある。その中には、柔道場や剣道場、多目的ホール、男女別の更衣室にシャワールーム、各運動部の部室があり、体育館とは連絡通路でつながっていた。
サッカー部の様に部員が男子のみ、また、新体操部の様に女子のみといった場合、着替えは部室でするのが殆どだが、男女混成の部は男女別々に更衣室で着替えていた。

この日の最後の授業が終わると、卓也と瑞穂は直ちにクラブハウスへ向かった。2人は着替える為、それぞれの更衣室に入ったが、いずれも、同じテニス部員や他の部の部員達と一緒になった。
卓也も瑞穂も、更衣室で着替える度に、“今日はどの部に出るんだ”、“うちには今度いつ出るんだ”などといった声を掛けられていた。

2人はテニスウエアに着替えるとテニス部の部室に入り、脱いだ服と荷物をロッカーに仕舞った。そして、テニス部の練習場に向かった。

「いらっしゃい!」
練習場に姿を見せた卓也と瑞穂に瑠璃が声を掛けた。
「ところで卓也くん」
「はい」
「貴方、瑞穂とお揃いのヘソピアスを付けてるそうだけど、今もしっかり付けてるのかしら?」
瑠璃は卓也に尋ねると、瑞穂の方を向いた。瑞穂はヘソ出しのテニスウエアだった。
「はい!この通り」
卓也はウエアのトップであるシャツの正面をたくし上げた。そして、瑞穂の物と同じデザインのヘソピアスを装着しているのを披露した。

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