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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 42

「それに、女の子達が話してたけど、星野さん、春日に対して乗り気になりかけてるみたいだよ。…あと一押しってとこだろうな?」
自信有り気に彩奈に話す宏。
「でも、光輝さんは大沢くんのこと…」
そう簡単にうまくいくかと、彩奈は不安だった。
「吹田さんが星野さんに話して、大沢のことを諦めさせるようにするんだよ」
「私が…何をどう話したらいいのよ?」
宏の言うことに戸惑う彩奈。
「今日、君が大沢とのやり取りで聞いたこと。…大沢には心に決めた相手がいて、その人だけにしか自分のヌードは見せられないって言ってたんだろ?」
「え、ええ…」
「それを星野さんに伝えるんだよ」
「分かったわ」
宏に説かれ、彩奈は協力することにした。

夕食が済み、生徒達は食堂を出るとそれぞれの部屋へ戻った。光輝も同室の他の女子達と共に部屋へ戻った。
暫くして、光輝以外の女子達が皆、黙って部屋から出て行った。室内は光輝1人だけになった。
夕食前、女子達は彩奈と宏から話を伝えられ、協力に応じていたのであった。

 一人になった光輝は、ぼんやり外を眺めながら、さきに彩奈が言った言葉を頭の中で繰り返していた。
 "大沢君は、心に決めた人の前でだけ、ヌードを見せる、って、言った"
 "俺にはお決まりの相手がいるんだ" 本人からそう聞いたときにはまだ困惑しかなかった。でも、第三者からそういう、ちょっと具体的なことを聞かされたのは光輝の気持ちをかなり重くしていた。

(卓也くん…やっぱり珠木さんのこと…)
卓也の“心に決めた人”とは瑞穂だと光輝は察した。自分なんかとてもかないそうもないと感じてはいた。だが、そう簡単に卓也への想いを断ち切れない。
光輝が一人っきりになって思い悩んでいる時、部屋のドアが開く音がした。そして、純一が中に入って来た。

「やあ、光輝」
純一は光輝の前に立って話した。
「2人で仲良く、うまくやれって、吹田さんや大沢に言われてさ…」
「えっ!?…でも私…」
「光輝は、アイドルだった大沢に憧れてるだけだろ。…それに、あいつには他にお決まりの相手がいるし…」
「え、ええ…」
動揺する光輝。
「俺は中学の時からずっと光輝のことを思ってたんだぜ」
純一はそう言うと、正面から光輝を抱き締めた。
「ちょっと春日くん…」
光輝は純一の気迫に圧倒され、抵抗しようとはしなかった。

「んー…んーん…」
純一は強引に光輝の唇にキスをした。だが、光輝は嫌な気はせず、素直に純一のキスを受け入れた。
「これ、私のファーストキスよ」
「俺もだぜ!」
2人は互いに笑顔で見つめ合った。

「ねえ、純一くん」
「何だい?」
「卓也くんは、心に決めた人にしか自分のヌードは見せられないって言ってたそうなの。…純一くんは今ここで、私と一緒に丸裸になれる?」
「そんなの決まってらあ」
純一は応えるなり、光輝の目の前で服を脱ぎ始めた。それを見て、光輝も服を脱ぎ始めた。2人は互いに全裸になって見つめ合い、そして、抱き合った。

 ”あったかい…"
 それは、遠い昔、親に抱きしめてもらったように安心するものでもあり、これから始まることへの扉を開くものでもあった。光輝は眼を閉じ、何回も自然にキスしていた。
 「ねえ、しばらく、そのままでいて…いまは、嫌だったこと、ちょっと忘れていられるかも」
 
 

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