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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 41

彩奈は、男子のヌードについて軽く考えていたことを反省した。そして、広夢から聞かされた話を思い起こす。
『ヌードは描く方も描かれる方も大変な覚悟がいる』
『嫌がる子を無理矢理裸にひんむく様にして描いてもいい作品にはならず、むしろドロドロとした物になってしまう『
『描き手にはモデルの全てを受け止めるぐらいの覚悟が、モデルにも生まれたままの自分を描き手に委ねる覚悟がいる』
彩奈は、それらの、広夢から聞いた話が身に染みる思いがした。

『アダムとイブ』について、
「片野先輩も長瀬先輩も、しっかりと覚悟を持ってモデルに臨んでくれたよ」
そう広夢は話していた。
彩奈は泉や修に会って、そのときの覚悟について尋ねてみようと思った。

やがて集合時間となり、生徒達は宿舎へ戻った。
「吹田さん」
宿舎に入った直後、彩奈は宏に声を掛けられた。

 「あ、沖田君、競泳おつかれ。さすが水泳部、って感じ」
 彩奈は素直にそう思って言った。
 「ありがとう…なあ、ところで、さっき、大沢と二人で何話してたの?」
 彩奈は"関係ないでしょ"と言ってもよかったが、絵のモデル候補でもある宏は関係なくもないので素直に話した。
 「絵のモデル頼んでたんだ」
「うん。ヌードモデルになってもらいたかったんだけど、水着姿を描くことで話がついたわ」
「ヌードだって!?」
「ええ。私、ルックスやスタイルのいい男の子をモデルに、ヌードを描きたいと思ってるの。…それで大沢くんに頼んでみたんだけど…」
「駄目だった…」
「ええ。彼、心に決めた人にしか自分のヌードは見せられないって…」
彩奈は包み隠さず宏に話す。
「そうか!…でも、あの大沢にヌードモデルなんかさせたら、大勢の女子を敵に回すことになるだろうな」
「でしょうね。さっきも大沢くんに声を掛けたら、周りの女子達に睨まれたわ」
彩奈は笑顔で言った。

「俺がモデルになろうか」
「えっ!?」
「男のヌードを描きたいんだろ。俺でよかったらモデルになるよ」
「沖田くん、それ、本気で言ってるの?」
真顔になっての宏の発言に彩奈は驚く。
「ああ。なかなか面白そうだし。…俺だってルックスやスタイルには自信あるし…」
「それじゃあ、そのうちお願いしようかしら」
そう彩奈は返答した。

彩奈にとってはラッキーだった。男子のヌードを描こうと、卓也に次ぐモデル候補bQと考えていた宏が自分から申し出てくれたのだから。

「ところでさ…」
宏が別の話を切り出した。
「星野さんと春日のことなんだけど」
「あの2人がどうかしたの?」
「D組の旅行委員にも協力してもらって、あの2人を2人っきりにしていいムードにさせてやろうと思うんだけど…どうかな?」

 彩奈は首を傾げた。彩奈はその方面には鈍い方だが、純一が光輝に気があって、光輝はあまり乗り気でないのは伝わっていた。
 「うーん、星野さん、ちょっと、それ、嫌そうな感じ、のような気がするんだけど…」
 宏は彩奈のやや自信なさげなところを押せるチャンスと考えた。
 「気がする、だけだろ、春日もワンチャンあるかもしれないじゃないか」

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