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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 40

「ねえ光輝、春日くんの気持ちに応えてあげなよ。彼、光輝に一生懸命なんだからさ」
2人の傍から香織が言うと、
「そうよ。卓也くんだって言ってたじゃない」
望美も言い、香織は更に光輝に言った。
「それに、タッくんさ、他にお決まりの相手がいるって言ってたよね」
「そんなこと言われても…」
香織に言われても、光輝はそう簡単に、卓也から純一へと気持ちを切り替える気になれなかった。

美香「タッくんのお決まりの人って、やっぱ珠木さんかな?」
理香「うん!きっとそうよ」

理香と美香の会話を聞き、麗奈は不快になった。
「何よ。私だって卓也くんのこと、ずっと思ってたのよ」
麗奈は中学の時、卓也とずっと同じクラスで、部活も一緒だった。3年間ずっと卓也を見つめ、密かに思いを寄せていた。同じ高校に入り、卓也のハートを射止めようと思っていた矢先、珠木瑞穂の突然の出現はショックだった。

結局、光輝は純一とツーショットした。その際、光輝は努めて微笑みを示した。
「貴方とのお付き合い、少し考えさせて」
光輝は小声で純一に言った。

 一方、彩奈は卓也のいる人だかりの方へまっすぐ向かっていった。
 「大沢君!」
 その場の全女子が彩奈を睨みつける。
 彩奈も、別に空気が伝わってこない訳ではなかった。多少、逆風を感じても、目的…いい絵を描く…のために邁進する覚悟だった。

「C組の吹田さんだね。何か用?」
「大事なお話があるんだけど、ちょっといいかしら?」
彩奈は卓也の腕を掴んで引っ張る。そして、人だかりを離れ、二人っきりになったところで話を始めた。

「大沢くんに、私の絵のモデルになって欲しいの」
「そう言えば、君は美術部だったね」
「うん」
「俺をモデルにって、どんな絵なの?」
「それがね…」
彩奈は卓也の耳元に口を近付け、
「ヌードなの…」
そう小声で言った。
「えーー!?」
驚きの声を上げる卓也。
「駄目かしら?」
「ちょっとそれは…幾ら何でもヌードというのは…」

卓也は瑞穂と約束していた。卓也は5月3日、瑞穂は5月5日がそれぞれ誕生日で、その間を取って、今度の5月4日に2人で初体験しようと決めていた。卓也としては、瑞穂以外の者に自分の全裸をさらす気にはなれなかった。

 彩奈は、ヌードモデルを頼むことだけを一生懸命に考えており、断られたときどうやって説得するかを深く考えていなかった。
 "男子のヌードって、女子に比べれば、はるかにハードル低いと思っていたのに…"
 彩奈の頭には、小学校時代の水泳の着替えで、自らのタオルを取ってまったく無毛の下半身を露わにして女子をからかった男子達のことが残っていた。それは芸術とはかけ離れていたが、あんな風に、簡単には裸には、ならないだろうか…
 「何で、ヌードは、嫌だと思うの?」
 卓也は遠くを見るような目をして言った。
 「ヌードは、心に決めた人にだけ、見せたいから」

「大沢くんの心に決めた人って、珠木さんのこと?」
「うん。今はその彼女以外に自分の生まれたままの姿をさらしたくないんだ」
彩奈は、卓也の瑞穂に対する思いの強さを察した。同時に、卓也をヌードモデルにして描くことは無理だと悟った。

「残念ね。大沢くん、モデルとして最高だと思ったのに…」
彩奈は、白いビキニパンツ姿の卓也の身体を舐め回すように見つめる。
「そうだ!」
突然叫ぶ彩奈。そして、卓也の顔を見つめて言った。
「今のそのスタイル…白いビキニパンツ一丁の格好…それでモデルになってもらえないかしら?」
彩奈は、今はそれで経験を積み、ヌードを描くことは改めて後で考えることにした。
「うーん…」
少し考え込む卓也。そして、言った。
「まあ、それならいいか」
「ありがとう!」
「で、描くのはいつだ?」
「4月の末、ゴールデンウイークの初め頃はどうかしら?」
「よし。いいだろう」
話はまとまった。

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