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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 39

「私、春日くんのこと応援するから、頑張ってね」
麗奈はそう言って、純一の肩を軽く叩いた。
「私も中学の時からずっと傍で卓也くんに思いを寄せてたから、春日くんの気持ち、よくわかるわ」

光輝や純一、麗奈のやりとりを傍で見ていた卓也は、
「よし。受けて立とう」
意を決したかのように叫んだ。
そして、卓也、純一、宏の3人で泳ぎを競うこととなった。
「水泳部を嘗めんなよ」
宏が勝負に加わった動機は、ここでいいとこ見せて、少しでも女子達の受けをよい方に持っていこうという思いだった。

「面白そうね!」
理香と美香は、3人のレースを海の上からしっかり見ようと、ゴムボートを用意し、それに乗って海に出た。

3人は並んで海の水の中に入った。そして、下半身が浸かる所まで歩くと、3人は同時にフラグを目指して泳ぎ始めた。

 彩奈はまっすぐ立ってまっすぐ三人を見つめた。

 最初、水泳部の宏が飛び出した。しかし、卓也はそのすぐ後についてその間はほとんど開いていなかった。その直後に、純一が追う。
 「卓也ぁ!がんばれぇ!」
 光輝が力の限り叫ぶ。

理香と美香はゴムボートを漕ぎながら3人のレースの様子を見ていた。
理香「タッくん、見事な泳ぎだけど、沖田くんの方が上みたいね」
美香「あの沖田、水泳部の男子1年の中じゃ一番なのよね」
美香は、同じ水泳部員として、宏の実力は認めていた。
彼女たちはフラグに向けてゴムボートを漕ぐ。

純一が段々と追い上げ、ゴールまで15m位の所で卓也に追いついた。卓也と純一はそのまま並んで泳ぎ、その2人の数十p先を宏が進む。

宏は真っ先にフラグの前に辿り着き、ポールを握った。宏より僅かに遅れて、卓也と純一が並んでフラグの前に達し、ほぼ同時に手を伸ばした。先にポールを握ったのは純一だった。卓也の手はほんの僅かに遅れた。
「春日、君の勝ちだな!」
卓也はそう言うと、純一の腕を掴んで高く上げた。
フラグの傍まで、先にゴムボートで着ていた理香と美香は、3人のゴールの様子をしっかりと見ていた。

それから、卓也たち3人はゆっくりとした泳ぎで海岸へ戻った。理香と美香は3人に並ぶようにしてゴムボートを進めた。
海岸には大勢の生徒たちが待ちかまえていた。皆、卓也たちのレースに注目していたのだ。宏の1着はすぐわかったが、卓也と純一はどちらが勝ったのかが気になっていた。
海岸へ上がった理香と美香の前に10数人の女子が駆け寄ったが、その中に光輝と麗奈もいた。
「ねえ、どっちが勝ったの?早く教えて」

光輝はせかすようにして尋ねた。それに対し理香は、ほんのタッチの差で純一が勝ったことを話した。
「そう。惜しかったわね…」
光輝は残念そうな表情をした。
そこへ卓也と純一が歩いて来て、光輝の前に立った。
「俺の負けさ。春日はよく頑張ったぜ」
卓也はそう言うと、純一の背中を押し、光輝の真ん前に出した。
「春日の気持ちに応えてあげなよ。俺にはお決まりの相手がいるんだ」
卓也はそう言うと、その場から走り去った。

 ちょっと困惑気味の光輝をよそに、純一は荷物からスマホを取り出して光輝の隣に来た。
 純一は、余裕で勝ったわけでもなく、また、嫌な態度も取りたくなかったので、丁寧に改めて光輝に言った。
 「光輝、改めて、ツーショットしてくれないか?」
 「う、うん…」
 光輝は浮かない顔で応えた。でも、せっかくの写真、どんな相手とだって笑顔で映ろう、と思い、笑顔を作った。
 純一はスマホのカメラを自方向のものに切り替えて腕を伸ばし、光輝の横から顔を近づけた。
 「そんなに、近づかないで」

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