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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 38

彩奈は、卓也を囲む女子達の輪の中に入った。そして、卓也に声を掛けた。
「大沢くんって結構いい身体してるじゃない。身長はどれくらいなの?」
「179pだけど」
彩奈に尋ねられ、卓也は答えた。
「そう!」
彩奈は、白いビキニパンツ姿の彼の身体をじっくりと観察する。

卓也の身体はとてもスリムで、全体的に引き締まっており、無駄な肉が殆どないといった感じだった。その上、首から下に体毛が殆どなく、体中の肌が艶やかだった。

ホワイトスパークのメンバー達は、オーナー一宮聖羅の方針で、優秀なエステシャンによって体中の肌を入念に磨かれ、また、首から下に僅かでも体毛が目立つようになると徹底した脱毛処理が施された。卓也もホワイトスパーク在籍中にそういった身体の手入れをされていた。

彩奈は元々芸能関係には関心が薄く、ホワイトスパークのメンバーとしての卓也のことはよく分からなかった。しかし、卓也のその美しい身体を目の前にして、すっかり見惚れてしまった。
(モデルとして最高だわ!)

彩奈の右隣には光輝が立っていたが、突然、その光輝が卓也の眼前へ進み出て、
「ねえ、タッくん。私とツーショットしてよ」
大きな声ではっきりと言った。光輝の手にはスマホが握られていた。

「光輝ちゃんったらずるーい…」
「私だってタッくんと一緒に写りたい…」
「次は私よ…」
周りにいた女子達が口々に叫んだ。

「ねえ貴女、これを構えてシャッターを押してよ」
光輝はそう言って彩奈にスマホを手渡すと、卓也の隣に立った。

「ちょっと待った」
そこへ1人の男子が近付いて来て叫んだ。純一だった。
「大沢、俺と勝負だ」
純一は卓也に向かって大声で言った。
「大沢ってスポーツ万能なんだろう。泳ぎでの勝負はどうだ?」
「どうして…」
突然の挑戦に卓也は戸惑う。
「面白い。その勝負、俺も乗った」
いつの間に近くに来ていたのか、宏も勝負に加わることを宣言した。

 純一も宏も光輝の方をチラリと見た。光輝は宏の視線に気づき目を反らした。
 「あのフラグまででどうだ?」
 純一はかなり遠く、遊泳許可区域の限界のフラグを指差した。そのあたりにはほとんど人はいなかった。海岸の注意書きには、限界付近は大人も足が底につかない水深なので注意、と書いてあった。

「いいけど、俺は水泳部だぜ」
「お前なんかどうだっていい。俺の相手は大沢卓也だ」
「嘗めやがって」
純一に軽くあしらわれ、宏は不快になった。
そこへ光輝が純一の前に歩み寄った。
「ちょっと春日くん…どういうつもりなの?いきなりタッくんに勝負を挑むなんて…」
すると、純一は光輝の顔をジッと見つめながら言った。
「光輝…俺が大沢に勝ったら、俺とツーショットしてくれないか」
「えっ!?」
「俺、中学の時からずっと光輝のことが好きだったんだ」
純一は中学1年の時から光輝に思いを寄せていたが、その思いを打ち明けられないままでいた。同じ高校に入り、今度こそ光輝を射止めようと思っていたが、入学した途端、光輝は卓也に夢中になってしまった。それ故、純一は卓也に嫉妬し、勝負を挑んだのである。

「そんなこと言われても…」
純一の言うことに戸惑う光輝。光輝は、イケメンでカッコいい純一に好感を持ってはいたが、恋愛感情までには至ることはなかった。

「オーケーしてあげたらどう?」
傍にいた麗奈が光輝に向かって言った。

 麗奈は光輝の耳元に口を近づけて小声で囁いた。
 「ツーショットだけじゃん。二人で一緒に写真撮るだけ。いきなり付き合うかどうかとかの話じゃないし」
 「うーん、そうねえ」

 光輝は少し考えて、純一の申し出を受けることにした。
 麗奈はああは言ったが、少しでもライバルが減るように、という目論見があったことは本人以外この場の誰も知らない。

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