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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 37

 カッコイい男子の水着姿を思い浮かべてちょっと赤面した彩奈は慌ててそれを振り払った。
 "ヌードを描こうと思っているのに!水着姿なんかで動揺してどうする!"

 行きのバスで、担任は言った。
 「ええ、みんな、知っての通り、これから行く場所は、上半身着脱自由選択地域になっている…それに反するような…制限はしないようにという通達が政府から出ているから、あまり言わないが、先生は、みんなの良識を、信じる」
殆どの女子生徒は、幾らトップレス特区だからって、わざわざ胸をさらしたりしないようにと、親から言われていた。

バスの中、彩奈の隣には宏が座っていた。
出発の数日前、各クラスの旅行委員が集まっての会合で、
「バスの中では、男子と女子が隣り合って座ることにしたらどうだろう」
と宏が提案した。どのクラスも男子と女子が同数ということで、宏の意見に賛成した。

「星野さん、俺と一緒に座らない?」
「嫌よ」
宏は初め、光輝に誘いを掛けたが、光輝はきっぱりと断った。他の何人かの女子に声を掛けても宏は拒否された。女子の間では宏の悪評が広まっていたのである。
そんな宏と、同じ旅行委員ということで彩奈が一緒に座ることになったのであった。

(こいつ、性格に問題はあるけど、結構イケメンね。背も高いし)
隣に座る宏の顔を見ながら彩奈は思った。

A組のバスでは、香織が卓也と隣同士で上機嫌だった。
「フフ…私ってラッキー!」
A組では、香織を含め、クラスの女子の半数が卓也と一緒に座りたいと主張した。そこで籤引きで決めることになり、その結果、香織が卓也と一緒に座る権利を得たのである。

D組のバスでは、バスケ部員の春日純一とテニス部員の須藤麗奈が隣り合っていた。
「春日くんって、C組の星野さんのこと好きなんでしょう」
「君こそ、A組の大沢のこと好きなんじやないのか?同じ中学だったそうだけど」
純一は、光輝とは中学の3年間ずっとクラスが一緒で、ずっと光輝に思いを寄せていた。
麗奈(れいな)は、卓也とは中学の3年間ずっと同じクラスで、しかも共にテニス部に所属していた。麗奈は中学の頃から卓也に密かな想いを抱いていた。

一行は目的地に着いた。そして、宿舎で学校指定の水着に着替えると、全員が海岸へ出て行った。

(なかなか引き締まった、いい身体してるじゃない!水泳で鍛えてるんだろうな)
白いビキニパンツスタイルの宏を傍で見つめながら彩奈は思った。
「こいつを一応、私の絵のモデル候補の1人にしておくか」

 彩奈が宏に対して悪感情が少ないのは、彩奈が雰囲気から真面目で、かわいいというより美しいタイプだったから、宏はあまり積極的に近づかず、直接は下心丸出しのような行動をとらなかったから、という理由もある。

 「高校ってすげえな。中学だったら『異性の部屋に行ってはいけません』とか書いてあるのに高校ではそれがない」
 彩奈は数日前の宏のセリフを回想していた。その瞬間は"何でそんなこと言うんだろう?"とちょっと嫌悪した。
 しかし「誰かがいいムードになったら、他の人は気を使って部屋を出るように、クラスの男子に言おうと思うんだ。吹田さんも、クラスの女子にそう頼んでくれないかな」という次の言葉を聞いて"自分勝手に言ってるんじゃないんだ"と考え直して、彩奈もそれには協力することにした。

「時間になったら再びここに集合するように。では解散」
引率教師が宣告し、生徒達は解散、自由行動となった。そして、海岸一帯に白い水着の少年少女達が散らばった。
海で泳ごうとする男子達や、波打ち際ではしゃぐ女子達などの姿が目についた。

卓也の周りには大勢の女子達が集まっていた。その中には理香や美香、光輝、麗奈の姿もあった。
「タッくん、素敵!」
「その白いビキニパンツ…とってもお似合いよ!」
「うん!ホワイトスパークにいた時、よく白いビキニパンツになってたわよね」
「とってもセクシーだわ!」
そんな彼女達に卓也は
「そんなにジロジロ見つめないでくれないかな。恥ずかしいからさ」
そう小声で応えるのだった。

彩奈は、モデルとしてよさそうな男子はいないかと、辺りを見回していた。そこへ、卓也が女子達に囲まれているのが目に入った。
彩奈は直ちに卓也の所へ向かって行ったが、その動機は他の女子達とは違っていた。卓也が自分の絵のモデルとしてどうかを見極める為だった。

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