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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 33

「あっ!いたいた」
卓也と光輝たちが話をしているところへ、突然、教室の入口の方から声がした。そこに1人の女子生徒の姿があった。その女子は教室の中に入ると、卓也の前に立った。彼女は制服に3年C組のクラス章を付けていた。
「タク坊、お久し振りね!元気にしてた?」
「えっ!?」
突然の事に卓也は唖然となった。
「私よ。瑞穂よ。忘れちゃったの?」
「もしかして…瑞穂姉ちゃん?…」
「そうよ!瑞穂よ。思い出した?」
「うん!」
「私ね、今日、この学校に転校して来たの」
「そうなんだ!日本に帰って来たんだ」
「うん。5年ぶりにね」

香織「一体誰なの?」
光輝「タッくん、その人とどういう関係なの?」
驚きながらも様子を見ている彼女たちに卓也は説明する。
「この人は珠木瑞穂さんといって、5年前まで俺の家の隣に住んでた、2つ年上の幼馴染なんだ」

 卓也はさらに瑞穂に尋ねる。
 「やっぱり、五年も行ってると、英語ペラペラなの?」
 「Year,Of course I speak English.」
 「すげえ、瑞穂姉ちゃん!やっぱり…あの…金髪のかっこいい彼氏とかいたりしたの?」
 「I have never had a boyfriend.」
 「ええと、あの、日本語で…」
 「彼氏いなかったよ」
「何で?姉ちゃんぐらい美人でスタイル抜群ならモテモテだったんじゃないのか?」
美しく成長した幼馴染を見つめながら卓也は言った。
「うん!…でも、私が一番大好きなのはタク坊だからね」

以前、卓也の大沢家と瑞穂の珠木家は同じマンションの中の隣同士で、家族ぐるみの付き合いだった。卓也と瑞穂は小さい頃からの仲良しで、瑞穂は卓也をタク坊と呼んで可愛がり、卓也も瑞穂姉ちゃんと呼んで慕い、一緒に遊んだり、一緒に水泳や柔道を習ったりした。
卓也が小学3年生になった時、ホワイトスパークのメンバーとなり、合宿生活をする為に転校し、2人は離れ離れになった。しかし、2人は盛んに電話やメールでやり取りし、瑞穂はホワイトスパークの出るイベントによく足を運んだり、宿舎を訪ねたりした。
瑞穂がアメリカへ飛び立つ日、卓也は運よく休暇で、空港まで瑞穂を見送りに行った。
「向こうに行ってもタク坊のこと応援してるからね」
「うん。元気でね」
この時、2人は互いにとってのファーストキスを交わした。
そして今、卓也と瑞穂は5年ぶりに対面している。

「私、アメリカにいてもタク坊のこと、ちゃんと応援してたからね」
瑞穂は、ホワイトスパークのホームページや様々なサイトで卓也の活動をチェックしていたことを話した。
「それにしても、どうしてこの高校を選んだの?」
卓也は自分の入学先と瑞穂の転校先が重なったことがとても疑問だった。
「従姉の麗美に勧められたの。とても楽しい学校だからって。…それに、タク坊も入るって聞かされて…」
「えーー!?…」
驚く卓也。
「俺も麗美さんに勧められてこの学校に入ったけど。…でも、瑞穂姉ちゃんが帰って来るなんて全然聞かされてなかったよ」
「うふっ!…タク坊を驚かそうと思って、麗美に頼んで、私が帰って来ることを黙っててもらったの」
瑞穂は満面の笑みを浮かべて話す。

香織「そろそろ行こうか」
望美「うん。そうね。行きましょう、光輝」
光輝「うん…」
卓也と瑞穂のやり取りを見つめていた望美たちだったが、やがて教室を出て行った。この日の午後、彼女たちはそれぞれの部室へ顔を出すことになっていた。
瑞穂の出現は彼女たちを驚かせたが、卓也の大ファンだった光輝の場合は特にショックが強かった。

「ねえ…私、テニス部と柔道部を掛け持ちすることになったんだけど、タク坊も一緒にやらない?」
瑞穂は同じクラスになったテニス部員と柔道部員からの誘いをオーケーしていた。
「いいぜ。テニスなら中学の時にやってたし、小さい時、一緒に柔道やってたよな…」
「それじゃあオーケーね!」
2人は教室を離れ、校庭に出た。

校庭では各クラブが新入生の勧誘に励んでいた。
「あっ!タッくんじゃない」
「やっぱカッコいいな!」
「どこの部に入るのかな?」
校庭に出るなり注目を浴びる卓也。卓也の入学は既に学校中に知れ渡っていた。
「ふふ…凄くモテモテね。さすが元アイドル…」
瑞穂はニヤニヤしながら言った。

並んで歩く2人の前に数人の男女が駆け寄って来た。
「ねえ卓也くん、よかったら陸上部に来ない?」
「いや、是非我がバスケットボール部へ」
「サッカーはどうだ?」
ホワイトスパークの卒業生ともなればスポーツに優れていることで知られ、しかも、女子に凄い人気だ。それ故、どの運動部も卓也の勧誘に熱心となった。

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