(続)格好が・・・ 31
「夢美ちゃんも新体操やってるんですってね」
「はい!実力のほうはまだまだですけど」
真美は、自分が小学校時代に通っていた新体操クラブに夢美が通っていることを広夢から聞いていた。
夢美はスマートホンを出し、自分のレオタード姿の写真を真美に見せた。
「とても可愛じゃない!」
真美も自分のスマホを出し、自身のレオタード姿の写真を夢美に見せた。
夢美はこの4月から小学6年生になるという。来年は白光学園の中等部を受験するつもりとのことだ。白光学園では来年度から中等部が開校することになっていた。
「ですから、私が入学したら…その時はよろしくお願いしますね。…真美お姉さん…」
「ええ!楽しみにしてるわ」
そして、年度が変わり、始業式、そして入学式を迎える。
照りつける日差しの元、大多数の生徒は半袖を選んだ。
入学式は、熱中症予防の為もあり短い時間で終わり、新入生は各教室へと入った。
オリエンテーションのあと、各クラスの最初のホームルームで委員が決まる。
優奈の妹、彩奈は、姉をみていて生徒会役員に興味があった。しかし、選挙はまだ先。彩奈は四月の臨海学校で任務が終わる旅行委員に立候補した。
旅行委員は各クラス男女1名ずつ決めることになっているが、他に女子の立候補者がいなかった為、彩奈はそのまま当選した。彩奈と同じ1年C組には沖田宏がいたが、彼が男子の旅行委員となった。
香織と望美は同じA組だった。また、理香と美香の双子の川村姉妹、それに春樹がB組、星野光輝がC組だった。
ところで、新入生の中で1人の男子が注目を浴びていた。大沢卓也という、元ホワイトスパークのメンバーである。
ホワイトスパークとは、ルックス、スタイル、体力、運動能力、歌唱力に優れた、小学3〜6年生の選り抜きの美少年からなるアイドルグループである。白い半ズボンに白いハイソックス、白を基調としたシャツが基本スタイルで、プールやビーチで活動する際はお揃いの白いビキニパンツを着用した。
メンバーは定員12人で、小学校卒業と同時にグループ卒業となり、その分、新たなメンバーが加入するようになっている。
“カッコよくカワイイ”というのがキャッチフレーズで、幅広い年齢層の女性たちに高い人気があった。
(ホワイトスパークについては『ビキニボーイ&ビキニガール』を参照)
卓也は小学3年から6年まで、タッくんの愛称でホワイトスパークで活動していた。そして、彼は香織や望美と同じ1年A組だった。
3年生になった遥たちだが、遥は大介と共にA組、泉と修はB組だった。2年生では、真美と広夢がA組、紗綾香と洸がB組だった。
また、遥や泉にとって懐しい出会いがあった。去年の夏休み、遊泳プールで出会ったカップルの片割れの女性が新任教師として赴任してきたのだ。彼女の名は天宮夏美、この3月に大学を卒業したばかりだった。
一方、始業式当日の白光学園に1人の転校生が姿を見せた。珠木瑞穂という女子で、この3月に卒業した白河麗美の母方の従妹だった。小学校卒業と同時に、父親の仕事の都合でアメリカに渡り、5年間そこで暮らしていた。
瑞穂は身長170p超、小麦色に日焼けした肌をしており、FかGカップはありそうな巨乳だった。また、瑞穂はスポーツ万能で、麗美と同様にテニスも、光平と同様に柔道も得意とのことだ。
その瑞穂は遥や泉と同じ3年生で、クラスはC組だった。
遙と泉は、入学式の前に行われた始業式での新任、転任教師紹介で、天宮先生が昨夏プールで会った人だと確信していた。
そう思って遙と泉は最初のホームルームの後すぐに職員室に向かい天宮先生の席を探した。
「あの、天宮先生、去年の夏プールでお会いしましたよね」
遙の問いに夏美は直ちに応えた。
「あ、あのときの!元気だった?」
「はい!先生になったんですね」
「ええ、運良く…ところで、君たちは、あの水着今も使ってるの」
夏美はちょっとにやっとして聞いた。
「いえ、使ってません、買い換えましたよ」