(続)格好が・・・ 4
「生やしててパンティーから出てたらカッコ悪いから、永久脱毛しちゃいました!」
満面の笑みを浮かべ奈々が告白する。
「綺麗に無毛ね。いっそだから永久脱毛を義務化しようかしら?」
「いいかも。お手入れ大変だし、海外先進国では脱毛したりするのがメジャーらしいし、衛生状態が悪い国ではシラミ避けに剃るそうですよ?」
「生えない娘もいるし、生えてる人が剃る事は出来ても生えない娘が生やす事は出来ないから」
口々に意見が出る。
「費用がかかるものでもあるし、義務というのは無理があると思うけど…ねえ、中戸さん、それどこのクリニックでやったとか聞いてもいい?」
「はい。……というところです」
「結構近くだね。友達紹介割引とかはある?」
「えっと、あったかも、です」
「なら、この学校から何人くらいいきそう、とか人数をまとめて団体割引を交渉すれば安くなるかも」
「「おおぉ〜」」
その場の女子は一様に感嘆の声をあげた。
“これ、女子の話だよな”
一歩離れたところでは駿がヒヤヒヤしていた。
駿の頭の中は、無毛の女子の妄想より、自身の股間が無毛になること、そして例えば風呂に入ったら友達の股間が皆無毛であるようなイメージに支配されてしまっていた。
“どうしよう、そんなことになったら…”
駿は身震いした。
「脱毛については…生徒個々の自由意思ということで…ひとまずここまでとします」
遥がそう発言して、脱毛に関する話は収まった。
「ノーブラはまだしも、スカートでノーパンというのはまずいんじゃないの?」
泉がそう言うと、
「そうですよ。公衆の面前でお尻やお股を丸出しなんて…。ちゃんとパンツを履かなきゃいけません」
駿が緊張したような面持ちで言った。
結局、スカートでのノーパンは禁止という結論に達した。
また、指定されたシャツをブラウスの内側に着ることを義務付けるが、暑いときはブラウスを脱いでもよい、ということに決定した。
「続いて、『3年生を送る会』の企画を考えたいと思います。
遥は、この企画を成功させ、優奈をはじめ、もうすぐ卒業する3年生の先輩たちを気持ちよく送り出したいと思っていた。
「“のど自慢大会”というのはどうでしょうか?」
早苗がそんな意見を出した。
ステージの上で3年生たちに歌ってもらおうということだ。
「そうね!ただ歌ってもらうんじゃなくて、それぞれ変わった格好をして歌ってもらうのがいいわ!」
泉がそう言った。
つまり、部活のユニフォームとか、学園祭で着た衣装、その他にも様々なコスプレをして歌ってもらおうということだ。
その意見が取り入れられて、『3年生を送る会』は“仮装のど自慢大会”を行うことに決まった。