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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 19

 「見学希望の新一年生連れてきたよ」
 遥は二人に言った。
 「はじめまして、吹田彩奈といいます」
 二人も自己紹介した。
 「ええっ、あなたが、あの、麻生広夢さんなんですか!ええと、いきなり、会えると思ってなくて、どうしよう」
 彩奈は顔を両手で隠した。
 

「麻生くん、妹は貴方に憧れているのよ。…麻生くんみたく、素敵な絵を描けるようになりたいんだって…」
優奈は広夢に彩奈のことを話した。
「そうですか!吹田先輩の妹さんですか」
広夢が彩奈を見つめながら言うと、
「はい。入学したらここの美術室に入部しますので、よろしくお願いします」
彩奈は広夢に向かって御辞儀した。

「ところで、麻生さんの絵を見せてもらいたいんですけど…」
彩奈は広夢に頼んだ。
「それなら…こっちに飾ってあるよ」
春樹がそう言って、壁に掲げられている2枚の絵を示した。それは、紗綾香がモデルの『水の妖精』と、真美がモデルの『ピーターパン』だった。
「素晴らしいわ!…『白き天使』の絵も見ましたけど、やっぱり麻生さんは凄いです」
広夢の絵に彩奈は大いに感動した。
「いやあ、いいモデルに恵まれたからね」
広夢は謙遜する。

「このドアの向こうにも凄いのがあるよ」
泉はそう言うと、美術準備室に通じるドアを開けた。そして、彩奈に遥、優奈がそこへ歩み寄った。
「きゃあ!」
彩奈は驚いて悲鳴を上げた。全裸で寄り添う男女の姿を描いた絵が視界に入ったのだ。
「これは『アダムとイブ』といってね、イブの方は泉がモデルになったの」
遥が説明した。
「これも麻生さんが描いたんですか?」
「ええ!そうよ。よく描けてるでしょう」
緊張しながら尋ねる彩奈に泉が答えた。

「私も、誰か素敵な人をモデルに、ヌードを描きたいです」
彩奈は『アダムとイブ』を見つめながら言った。
「ちょっと彩奈…」
妹の思わぬ発言に優奈は呆れる。
「ヌード画っていうのは、描く方も描かれる方も大変な覚悟がいるんだよ」
広夢は彩奈に言い聞かせようとする。

 「モデルになってくれた方の、すべてを、受け止めるような、覚悟が」
 広夢は、一言一言に力を込めて語った。
 「そう、私にとっても、一つの転機になるような、日だったなあ、書いてもらった日は」
 泉は遠くを見るような眼で言った。
 「考えてみると、私にとってもそうだった」
 遥が続けると、彩奈は「なぜですか?」と聞いた。
 「後で話してあげる」
「何だか気になりますね。ぜひ聞かせてください」
泉や遥の言ったことがとても気になる彩奈だった。
「ところで、アダムのモデルになってる男の人は誰ですか?」
彩奈は、泉と一緒に描かれている、アダムのモデルの男が気になって尋ねた。
「ああ!…長瀬修くんといって、私たちのクラスメイトで、サッカー部のキャプテンよ」
泉が説明した。
「もしかして、片野さんの彼氏ですか?」
「え、ええ。…今つき合ってるけど…」
彩奈に聞かれ、泉は恥ずかしそうに答える。
「そうですか!やっぱり、心から大好きな人じゃなければ、一緒に裸になるなんてできませんよね」
彩奈の言うことに、泉は顔を赤らめた。

一方、水泳部は練習を終え、解散となった。そして、部員たちは更衣室で着替える。
紗綾香は白い水着を脱ぎ、制服を着ると足に青いタイツを履く。
「今度から白いタイツを用意しなきゃ」
青いタイツを履きながら紗綾香は呟いた。これまで、紗綾香をはじめ、女子水泳部員の多くは競泳水着の色に合わせて青いタイツを履いていた。しかし、新学期から白い競泳水着に変更することとなり、紗綾香は白いタイツを履こうかと考えた。

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